レガシー機器を含むシステム全体のセキュリティ対策が外付けデバイスで可能に:ビル設備のセキュリティ
東芝インフラシステムズは、レガシー機器を含むインフラシステムや工場向けのIoTセキュリティソリューション「CYTHEMIS(サイテミス)」を製品化した。外付け小型デバイスにより、ネットワークのセキュリティ対策を行う。
東芝インフラシステムズは2019年4月、インフラシステムや工場向けIoTセキュリティソリューションCYTHEMIS(サイテミス)を発売した。レガシー機器を含むエンドポイントのセキュリティ処理を代行する小型ハードウェアデバイスと、それらを管理するシステムのパッケージソリューションである。
CYTHEMISは、エンドポイントと呼ばれるネットワークの末端にあるPCや設備と外付けデバイスをLANケーブルで接続するだけで利用でき、従来のセキュリティソフトでは対策が難しい古いOSや設備にも対応可能である。
デバイスをつないだエンドポイント間で相互認証や通信の暗号化が行われるため、不正アクセスやマルウェアの感染を遮断する。また、セキュアなリモートメンテナンスやリモートアップデートも可能となる。USBメモリを介したマルウェア感染も検知するため、システム全体への感染拡大を防ぐことも可能だ。
管理システムでは、エンドポイントの状況や構成を一元管理し、異常が起きている箇所や各機器の状況を可視化した。
対応プロトコルはTCPおよびUDP、インタフェースはRJ-45。デバイスのサイズは幅84×奥行84×高さ38ミリ、質量は約170キロである。
インフラシステムや工場などでは、さまざまな機器やシステムが混在しOSも複数存在する。その中には古い設備も多いため、全体としてセキュアな状況を作るのは難しいとされてきた。CYTHEMISはこれらの施設全体を外付けで簡単にセキュア化できるとしている。
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