ニュース
「光が丘清掃工場」の建て替え工事で“負圧密閉式テント”がギネス認定:解体工事の騒音・粉じん問題解決(2/2 ページ)
東京・練馬にある「光が丘清掃工場」の老朽化に伴う建て替え工事で、建設した仮設テントが、世界最大の負圧密閉式テントとして、ギネスに認定された。
テント内に集じん機を設置し、粉じんの影響を低減
そのため、解体工事の際は、周辺が住宅地であることを考慮し、超大型の仮設テントで清掃工場全体を覆った。テント内は、集じん機によって負圧にした状態で、200トン級の超大型解体機で解体した。
また、高さ150メートルの煙突の解体は、内筒を解体した後コンクリート製の外筒を移動式足場の中でワイヤソ−を使い、ブロック状に切断。切り出したブロックをタワークレーンで煙突内部を通して降ろし、地上の仮設テント内で破砕、分別した。
世界最大のテントによって、周辺環境への影響を最小限にとどめ、安全かつ効率的に既存建物の解体が完了した。テントは既に役目を終え取り壊されている。
解体の対象施設は、工場棟をはじめ、計量棟/洗車棟/危険物保管庫などから成る付属施設、鉄筋コンクリート造の煙突。工場は、150トン/日の焼却能力を有する焼却炉2基を備え、構造規模は鉄筋コンクリート造(一部鉄骨造)で地下2階・地上5階(高さ約40メートル)建てだった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- スマホを用いて協力会社も利用する現場の“打ち合せシステム”、鴻池組
鴻池組は、日々建設現場で行われる作業間の連絡調整打ち合せと、作業日報の作成を省力化するツールとして、スマートフォンを用いた作業打ち合せシステム「KOCo(ココ)Meeting(KONOIKE Construction Meeting System)」を開発した。 - コンクリ解体工事の騒音を“7割低減”、重機先端のノミを泡で覆う「バブルサイレンサー」
大林組は、解体工事のコンクリート破砕で使用する重機「ジャイアントブレーカー」の騒音低減と粉じん飛散を抑制する「バブルサイレンサー」を開発した。これまでジャイアントブレーカーでなければ難しかった地下躯体や基礎部分の解体工事でも、騒音低減と粉じんの飛散防止が可能になる。 - 建物を通常通りに使いながら行う改修工事で、騒音を“わずか1分”で計測するシステム
大成建設は、建物を供用しながら、改修・解体工事を実施する際に、騒音を事前に予測するシステム「TSounds-Structure」を開発した。中規模ビルでこれまで1日かかっていた計算時間が、わずか1分で高精度な結果が得られる。 - 騒音下の工事でも円滑な会話可能に、“音声認識AI”で通話相手を特定する「骨伝導ヘッドセット」開発
清水建設は、京セラと共同で、トンネル内の騒音下でも、入坑者が防塵(じん)マスクや防音耳栓を着用したまま、コミュニケーションが可能な通話システム「骨伝導ヘッドセット(仮称)」を開発した。既に施工中の九州新幹線西九州ルートのトンネル工事で、実証実験に成功している。今後は、作業者の体調を測定する機能追加も検討して、2019年中の完成を目標とし、2020年度には商品化も視野に入れる。 - 建設車両の騒音を防止する「アクティブ消音システム」を改良、エンジン音を8dBまで低減
奥村組は、建設機械などから発生する騒音の低減を目的として開発した「アクティブ消音システム」を改良し、走行する建設車両のエンジン音へ適用することを実現した。中部横断自動車道 森山トンネル工事で適用し、騒音を確実に低減する効果が実証された。 - 鴻池組の「ICT推進課」が推進するICT/BIMの活用、現場ごとに独自の“BIM取り組み案件追跡表”を運用
鴻池組では、「ICT推進課」を2017年に開設し、BIMとさまざまなICT技術とを組み合わせ、現場での活用検証を進めている。BIMに関しては、独自に「BIM取り組み計画書」を策定し、設計・施工BIMをはじめ、3Dプリンタによる模型の出力や施主へのVR提案なども含めた、ICTへの取り組みを可視化できる体制を整え、ICTによる業務改革を推進している。