河川の流量を観測するドローン「Drone Flow type Fushi」、投下する浮子は最大4本搭載:第5回国際ドローン展
TYPE-S(タイプエス)は、「第5回国際ドローン展」で、河川の流量を観測するドローン「Drone Flow type Fushi(DFF)」を出展した。DFFの機体は自動制御システム研究所製で、浮子投下装置は千葉工大・和田豊研究室との共同開発、ソフトウェアは神戸大・藤田一郎教授の監修で構成されている。
TYPE-S(タイプエス)は、ドローンの産業利用に焦点を当てた専門展示会「第5回国際ドローン展」(会期2019年4月17〜19日、幕張メッセ)で、流量観測用ドローン「Drone Flow type Fushi(DFF)」を出展した。
「ACSL-PF1DOUBLE」にボルトオンで搭載
DFFは、ドローンに装備した浮子を河川上空で投下し、浮子の水面での流下時間を計測することで河川の流量を測定する。ニーズが多いのは高水時の測定で、観測する作業員を危険性の高い川沿いまで向かわせるリスクが無く、離れた場所から安全な河川の流量計測が実現する。いちいち現場に行かなくても、一拠点で計測作業を進められるなど、流量観測作業自体の省力化にも効果があるという。
機体は、自立制御システム研究所が製造している国産のドローン「ACSL-PF1DOUBLE」を採用している。ボルトオンで浮子投下装置を積載する。ACSL-PF1DOUBLEの全長は1275ミリ、高さ570ミリ。重量はバッテリーを除いて6.5キロ。羽根はヘキサローターを各2枚。飛行時間は約10分。
DFFの構成は、機体とプロポ、投下装置、浮子、専用リモコンによる投下スイッチ、ソフトウェア「PFstation」の6種により運用する。浮子は最大4本を搭載できる(総重量5キロまで)。浮子投下装置は別電源駆動による独立設計とし、リモコンで遠隔から投下する。
ソフトウェアは、神戸大学藤田一郎教授が監修したPFstationで、各種流量観測帳票の作成にも対応している。その他、浮子表の自動作成と同時に基準となるフライトプランを自動で作成する機能も備える。
オプションでは、別途、物件投下の飛行申請を行うことで、水難事故時の救命具も投げられる。河川上空から最大4カ所までの任意の場所で投下できる。
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