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接合部の製作工期を25%短縮、「国立循環器病研究センター」に適用した“柱RC梁S接合工法”:新工法
竹中工務店は、梁(はり)段差や梁せい差にも容易に応じる“柱RC梁S接合工法”を開発した。
竹中工務店は、梁段差や梁せい差にも容易に対応する「柱RC梁S接合工法」を開発した。既に、大阪府吹田市で2019年3月に竣工した「国立循環器病研究センター新築工事」で採用されたという。
高い軸力保持能力と剛性を有するRC柱と、ロングスパンに対応可能なS梁を組み合わせた“柱RC梁S架構”は、工場などを中心に適用されている。しかし、この架構形式では、梁段差がある場合に、仕口部の納まりや加工が複雑になることが課題となっていた。
新たに開発した柱RC梁S接合工法は、柱RC梁S架構で梁段差や梁せい差がある場合に、接合部に肉厚角形鋼管を配置し、梁段差を吸収できる納まりとしている。そのため、さまざまな梁段差や梁せい差にも対応し、接合部の簡略化も可能な構造合理的に優れた工法といえる。この工法の採用により、接合部の製作工期が約25%削減されるとともに、品質の安定化が図れるという。
適用した国立循環器病研究センター新築工事は、総合評価一般競争入札で竹中工務店のグル−プが、応札した3者の中から、技術提案と入札価格の総合評価により決定。工事概要は、基本設計が佐藤総合計画、実施設計は竹中工務店と日本設計。施工は竹中工務店。規模は地下2階/地上10階/PH2階建てで、延べ床面積は12万9881.84平方メートル。工期は2016年8月〜2019年3月。
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