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“4G LTE”を武器に「KDDI」が6月からドローン点検に本格参入、「プロドローン」「ゼンリン」「テラドローン」などと協力ジャパン・ドローン2019(2/2 ページ)

KDDIは、民間ドローン専門展示会「ジャパン・ドローン2019」で、2019年6月から商用での提供を開始する「スマートドローン」のプレゼンテーションを行った。スマートドローンは、KDDIの携帯通信ネットワークに対応し、遠隔制御による安全な長距離飛行を可能にする多様な用途に応じた新サービスだ。

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ドローン機体は2018年に資本提携を結んだ「プロドローン」が供給

 鉄塔点検は、点検箇所をドローンでピンポイントに撮影し、データ管理、レポート作成を自動で行う一連のソリューションを提供。点検方法はまず、初回飛行時に、鉄塔3Dモデル作成のため、鉄塔全体を旋回して自動飛行。その後、3Dモデルで点検が必要な箇所をピンポイントで指定することで、専用のドローンが自動で撮影する。全ての点検箇所の撮影データは一元管理され、最終的に自動で点検レポートが作成される。

 機体は鉄塔専用の「KD-I01」で、耐風速は毎秒12メートル、飛行時間30分まで。マニュアル点検では、4人がかりで点検に2時間を要するが、ドローン点検であれば高所作業などの労災リスク無しで、2人で1時間ほどで完了するという。

 現在、送電設備へ適用できるソリューションを中部電力、中部テレコミュニケーションと共同で研究を進めている。KDDIが保有する通信鉄塔における点検業務では、2019年度よりこのドローン点検を導入する予定だ。


鉄塔点検用ドローン「KD-I01」

 風力点検では、風力タービンの周囲をドローンが撮影し、位置情報や高度情報を基にデータ管理、レポートまでを自動化させている。

 測量解析と農業精密は、パートナー企業との連携によりサービスを提供し、測量ではスマートドローンを活用した測量によるデータ収集と、国土交通省が推進する“i-Construction”に対応したアイサンテクノロジーの測量専用ソフト「Wing Earth」で、大規模3次元点群データの処理と解析を行う。地上レーザーでは、測量対象面積0.01キロ平方メートルの経費が約26万円かかるのに対し、ドローンであれば約10万円ほどで済む。


アイサンテクノロジーの高精度3次元地図計測用ドローン「Winser」。機体のベースはプロドローン製の6枚羽機

 一方の精密農業は、スカイマティクスの葉色分析サービス「いろは」で、農作物の生育管理と、農薬散布サービス「はかせ」をスマートドローンのプラットフォームにリンクさせて、効率的な散布ルート作成と、自律飛行による適所散布を実現する。

 これらのドローンサービスを支えるプラットフォームは、通信、機体、気象/地図、運航管理で構成。通信は、アンライセンス通信に加え、“4G LTE”のモバイル通信にも対応し、クラウドとの連携や遠隔監視/制御を実現。従来の2.4GHz帯などアンライセンスバンドでは、飛行範囲が数百メートルに限定され、現地での監視も必要で、さらにSDカードなどからローカルPCへと保存して確認していた。4G LTEのスマートドローンであれば、長距離/広範囲をカバーし、遠隔での飛行コントロールな上に、取得データは即座にクラウドにアップロードされるため、操縦者がリアルタイムで確認できる利点がもたらされる。

 機体は、用途それぞれに応じた最適な機種をラインアップ。気象/地図に関しては、高精細な上空の気象予測が提供されることで、ドローンの飛行可否の判断に役立ち、3次元地図は、ルート設定時に飛行高度を自動設定することにつながる。運航管理は、自律飛行のための計画作成から、運航状況、カメラ映像の監視、機体やカメラの遠隔制御のソリューション。

 プラットフォームを支えるパートナー企業は、機体は2018年10月に資本提携を結んだ「プロドローン」。気象は「ウェザーニューズ」、地図は「ゼンリン」、運航管理は「テラドローン」のそれぞれの協力を得て、スマートドローンのプラットフォームを構築している。


折りたたみ式ダブルローター8枚機「PD-8X」と、スマートドローンのPR

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