CIM発注は「土工」「橋梁」「岸壁」などの設計領域に拡大、国交省は2019年度の方針を策定:i-Construction(2/2 ページ)
国土交通省は、2019年度以降に“i-Construction”を貫徹させるための要領、基準類を改定および策定した。2019年度のCIM/BIM発注は、道路/河川では地質調査業務、土工、橋梁、トンネル、ダム、河川構造物などの“概略設計”と“予備設計”、港湾では「岸壁(桟橋構造)」の設計業務で積極的な活用を進める。
CIM発注を“概略設計”や“予備設計”にも活用
CIM/BIMのさらなる活用では、道路と河川では、2018年度より橋梁(きょうりょう)、トンネル、河川構造物(樋門など)、ダムの大規模構造物の「詳細設計」をCIM/BIMの原則対象とした。2019年度からは、地質調査業務、土工、橋梁、トンネル、ダム、河川構造物などの「予備設計」や「概略設計」にも積極的に活用していく。
港湾を対象としたCIM/BIM発注方針では、2019年度より「岸壁(桟橋構造)」の設計業務をCIM原則とし、土質調査業務、岸壁(桟橋構造)以外の構造物の細部、実施設計にも積極的に活用。導入の初期段階のため、6項目の要求事項(リクワイヤメン)を設定する。1業務、1工事当たり、要求事項は原則3項目以上を設定して実施する。
また、将来の運用を目指し、2018年度に引き続き要求事項を設定。1業務、1工事当たり、要求事項は原則5項目以上を設定して行う。
「段階モデル確認書」に関しては、CIM/BIM活用業務・活用工事で、発注者や受注者の関係者間で円滑な情報交換を実施できるためのプロセスや情報確認要件を示したCIM/BIM活用における「段階モデル確認書(案)」を作成する。
「土木工事数量算出要領(案)」では、2018年度の改定では、土工、コンクリート構造、鋼構造について、数量算出に必要な3次元モデルや属性情報を規定。2019年度はソフトウェアの実装状況も踏まえながら順次、3Dモデルからの数量算出対応の工種を広げる。
「CIM/BIM設計照査シートの運用ガイドライン(案)」は、これまで3次元モデルの設計照査(納品検査)では、ガイドラインや要領に明確な記載がないため、発注者・受注者共に求められる照査の水準や方法は不明確だった。そのため、従来の照査と比較し、3次元モデルによる設計照査・検査の項目を明確化し、CIM/BIM設計照査シート(橋梁編)を作成する。
グリーンレーザーによる公共測量のマニュアルを策定
測量におけるICT活用拡大では、従来実施されている近赤外レーザーを使った航空レーザー測量の標準的な作業方法をベースとしつつ、水部内を通過させる「グリーンレーザー」を用い、水底・陸上ともに計測するための標準的な作業方法について、新たに「航空レーザ測深機を用いた公共測量マニュアル(案)」で規定する。
3次元点群データから断面図の作成についても、標準的な作業方法を「3次元点群データを使用した断面図作成マニュアル(案)」でとりまとめる。
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