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「高層 ZEH-M 実証事業」採択マンション7物件を販売開始、月8本のブナを植えるCO2量削減

大京と穴吹工務店は、マンションのエネルギー消費量削減を促進する経産省の「2018年度 高層ZEH-M(ゼッチマンション)実証事業」で採択された7物件の販売を開始した。

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 大京と穴吹工務店は、経済産業省の「2018年度 高層ZEH-M(ゼッチマンション)実証事業」で採択された10物件のうち、7物件(北海道、福島県、千葉県、神奈川県、山梨県、島根県、広島県)の販売活動を開始した。この7物件は各道県で、初めて「高層 ZEH-M 実証事業」に採択された分譲住宅となる。

全物件が省エネ20%減の「ZEH-M Oriented」を取得

 ZEHとは、Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の略で、年間の「1次エネルギー消費量」をプラスマイナスでゼロ以下にする試み。国は、ZEH普及を目的とした2030年までのロードマップを作成し、最初は太陽光発電設備を設置しやすい“注文住宅”に注力し、順に新築戸建て、賃貸/分譲マンションへと対象を拡大させていく方針を打ち出している。

 なかでもマンションは、太陽光発電設備を設置できるスペースが少ないなど、戸建てに比べ制約が多いため、ZEHのマンションにおける定義を明確化し、補助金によって普及を後押しすべく、経産省は2018年度に高層ZEH-M実証事業を実施した。

 ZEH-Mは、1〜3階で水準をクリアした「ZEH-M」と「Nearly ZEH-M」、4〜5階の「ZEH-M Ready」、6階以上の「ZEH-M Oriented」の4つの評価から成る。階数が上がるほど制限があるため、再生エネルギーによる削減の基準を緩めている。


ZEH-Mの概念図 出典:経産省、大京

 2018年度の事業では、分譲マンション14件と賃貸1件で補助金交付が決定。内訳は、大京6件、穴吹工務店3件、両社共同が1件。他は大和ハウス工業2件、総合地所、東京建物、エスポワール不動産で、全物件が“ZEH-M Oriented(ゼッチマンションオリエンティド)”の認定を受けている。断熱性能を大幅に高め、さらに高効率設備・システムを導入することで快適な室内環境を保ちつつ、共用部を含む住棟全体の年間の1次エネルギー消費を20%以上削減したマンションが該当する。

 大京グループではZEH-Mの実現に向け、住みやすさ、健康と家計、地球環境に配慮した「人にも、地球にもやさしい暮らしの新基準」を策定した。

 新基準では、高い断熱性で、寒い冬でも室内18度以上を保ち家の隅々まで暖かく、大京が考える室内空気循環まで配慮した新たなパッシブデザイン「ライオンズパッシブデザインプラスクリア」で暑い夏を涼しく、高効率設備(エネファームなど)でエネルギー使用量を削減、高い断熱性と高効率設備で光熱費を節約などの省エネの取り組みが盛り込まれている。さらに、ZEH-Mの住戸1戸当たり、年間のCO2量は約1.1トンで、ブナの木が吸収するCO2量に換算すると、ひと月に「約8本」が植えられるほどのCO2削減を目標とする。


高い断熱性能で部屋の隅々まで室温18度以上を保つ 出典:大京

 主な省エネ設備では、高性能な断熱材を屋根、天井、床に至るまで採用。外側に耐久性や耐候性に優れたアルミ、内側には熱伝導率が低く断熱性能に優れた樹脂を用いた「ハイブリッド構造」により、高い断熱性と強度を併せ持つ高性能サッシ。2枚の板ガラスの間に乾燥空気を封入し、特殊金属膜(Low-E膜)を施した「Low-E複層ガラス」などがある。

 また、結露しにくく、紫外線を軽減する効果もライオンズパッシブデザインプラスクリアは、これまでのパッシブデザインで採用している「グリーンカーテン用フック」「換気ストッパー付きサッシ」「エコガラス」「通気ルーバー付き扉」「換気機能付き玄関ドア」に加え、大型給気口に花粉やPM2.5対策ができるフィルターを標準設置している。


部屋の隅々までムラなく、均一な室温 出典:大京

 今回販売を開始したマンションは、エネルギー消費量32%を削減した「ライオンズ札幌大通公園ミレス」(15階建て54戸)をはじめ、「ライオンズ会津大町レジデンス」(14階建て52戸)、「ライオンズ船橋本町マークスフォート」(12階建て34戸)、「ライオンズ長津田グランリーフ」(6階建て64戸)、「サーパス甲府徳行グランテラス」(8階建て53戸)、「サーパス上乃木四丁目」(9階建て50戸)、「サーパス船越」(13階建て38戸)の合計7棟で、全てBELSの☆☆☆☆☆を取得。

 大京グループは、今後も、2020年までにハウスメーカーが新築する注文戸建住宅の半数以上で、2030年までに新築住宅の平均でZEHの実現を目指す国の「エネルギー基本計画」における目標実現に向け、ZEH-M基準を満たすマンション開発事業を積極的に推進していく。

 さらに、マンション開発事業だけでなく、2018年6月に大京内に設置した「ソリューション事業部」で推進している「オフィス開発事業」でも、ZEB基準を満たす事業を検討するとしている。

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