「防爆対応スマートグラス」で危険な現場での遠隔地間のグループワーク実現へ
テレワーク事業などを手掛けるブイキューブとウェアラブルを開発する米リアルウェアは、情報通信技術により遠隔地間のグループワークを実現する拠点間情報共有システムと、防爆認証に対応したスマートグラスを連携させた新ソリューションの実験的な提供を開始したと発表した。グループワークの可能性を危険な作業現場にまで、拡大させる。
テレワーク事業などを手掛けるブイキューブとウェアラブルを開発するリアルウェア
は、情報通信技術により遠隔地間のグループワークを実現する拠点間情報共有システムと、爆発や火災が起きる危険性のある現場でも安全に使用できるスマートグラスを連携させた新ソリューションの実験的な提供を開始した。グループワークの適用範囲を危険な作業現場にまで拡大させる。
使用する拠点間情報共有システムは、国土交通省の新技術情報提供システム「NETIS」にも登録されたブイキューブの「xSync Prime Collaboration(以下、xSync)」、スマートグラスはリアルウェアの「HMT-1Z1」だ。
利用シーンは、石油精製、石油化学、化学合成プラントなどの危険を伴う作業現場まず想定している。これらの現場では、業務に用いる可燃性ガスや可燃性液体が拡散し、空気と混合することで爆発性のガスが発生するリスクがある。万一、爆発性のガスが発生した場合、電気火花や高温度の物体に触れると爆発や火災が発生するため、そうした作業現場で使用するデバイスには「防爆」構造が必然的に求められる。
リアルウェアのHMT-1Z1は、日本国内の防爆認証TIIS Zone-1に対応した単眼スマートグラスで、危険性のある現場でも使用できる。操作は、音声認識とボタン1個による入力に対応し、カメラとスピーカーを搭載。マイクはノイズキャンセリング機能付きで、過酷な作業環境にも適応する。ブイキューブのxSyncと連携し、グループワークの可能性を危険性のある現場にも広げる。
今回の連携では、スマートグラスHMT-1Z1の音声制御操作に対応するため、音声入力のみでxSyncが操作できるようにカスタマイズした。xSyncの特徴である、資料共有、映像書き込み、写真送信などが、ボタン操作を無しで利用できる。
xSyncは、CADデータをリアルタイムに共有する他、設計と現場でやりとりする映像などのデータを通し、遠隔地でも現物を比較しながら、デザインレビューすることなどが可能になる。災害発生などの緊急時には、現場状況を双方向的で素早く把握・共有できるため、緊急性が求められる事故対策や危機管理といった場面での使用にも適する。
xSyncは、既に、建設業向け遠隔現場監督・作業支援システムとして国土交通省の新技術情報提供サイト「NETIS」にも登録されている。
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