NTT西日本が100%出資する橋梁/法面/鉄塔などドローン点検の新会社、ACSLの機体販売も:ジャパン・ドローン2019
NTT西日本が、ドローンによるインフラ点検サービスを行う新会社「ジャパン・インフラ・ウェイマーク」を2019年4月1日に設立する。同社は、「ジャパン・ドローン2019」に出展し、新サービスの概要を紹介した。
西日本電信電話(NTT西日本)は、ドローンを活用したインフラ点検の新会社「ジャパン・インフラ・ウェイマーク」を2019年4月1日に設立する。創業に先立ち、ジャパン・インフラ・ウェイマークは、「ジャパン・ドローン2019(第4回)」(会期2019年3月13〜15日、幕張メッセ)で、インフラ点検を主事業に据えたサービス体系を説明した。
3Dモデルの生成には、NTTコムウェアの「KnowledgeMap 4D」を利用
NTT西日本グループではこれまで、ドローンによる太陽光パネルの点検ソリューションやAIを活用した道路路面の状況を診断するサービスを提供し、ドローンによる点検技術や画像解析におけるAI活用のノウハウを蓄積をしてきた。
さらに、2018年には、自社で保有する橋梁(きょうりょう)や鉄塔に対し、ドローンを活用した点検業務のトライアルを実施。結果、点検作業の効率化を確認することが実用レベルで実証された。
こうした取り組みを踏まえ、2019年4月に新会社を設立し、ドローンを活用したインフラ点検・診断サービスを提供を開始するに至った。社名には、「道標=ウェイマーク」の意がロゴマークとともに込められているという。
新会社のジャパン・インフラ・ウェイマークは、NTT西日本が100%株主となり、資本金は4億円。スタート時の従業員は10人で、ドローン点検のトータルメンテナンスサービスとサポートサービスの2方向を展開していく。
トータルメンテナスは、橋梁、法面、鉄塔、太陽光パネル、風量発電機の5つを対象とする。サービスの流れとしては、契約者からの申し込み後、点検計画を策定し、空撮日程を決め、ドローンを現地で飛ばす。その後、NTTコムウェアの「KnowledgeMap 4D」を利用して、空撮画像から3Dモデルを生成。このモデルをベースに、国やNTT西日本グループの点検項目に従って、AIと併用しつつ、遠隔目視点検として有資格者が劣化を診断し、最終的にレポートを納品。作成した3Dモデルはユーザーにクラウドを介して提供される。
もう一つの柱のサポートサービスは、ACSL(自律制御システム研究所)のドローン販売/レンタルを中心に、対象となるインフラ設備に応じた機種を提案する。ACSLのドローンは、橋梁の下などGPSが受信できない環境でも飛行可能な非GPS環境対応のドローン。サポートサービスでは、他にも、機体の保守や保険取次、教育研修なども予定されている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 自律飛行ドローンと“3次元形状”を教師データとするAIで、トンネル発破の「良否判定」を自動化
戸田建設とRistは、熟練トンネル技能者が行っていた次に行う発破のための“良否判定”をドローンとAIで自動化する「Blast Eye/AI(ブラスト・アイ)」を開発した。独自開発のAIモデルは、一般的な2次元画像を対象としたものでなく、形状の判定という3次元領域を対象としている。 - 建築用ドローン点検は普及するか?業界のパイオニアに聞く
ここ数年、建築・土木の分野でのドローン点検が、さまざまな展示会で出展されるようになり、各社のブースに人を集め話題となっている。空撮した俯瞰画像や映像からデータ解析するタイプのサービスが多くみられるが、ビルやインフラを実務レベルでドローン点検するとなると、調査診断のノウハウや画像解析の技術が必要になり、実証実験の回数がおのずと求められる。 - スマホ上で、ドローンの自動飛行・リアルタイムオルソ化ができる新サービス
ソフトバンク コマース&サービスは、国内外で1万を超えるユーザーに利用されているドローンの自動飛行クラウドサービス「DroneDeploy(ドローンデプロイ)」日本語版のサービス提供を開始する。同サービスは、高価なハードウェアは不必要で、全ての動作がクラウド上で完結する。 - NSW、DJI、MSが開発を進める建築物のドローン点検サービス、0.2mmのひび割れAI検出し3Dで表示
日本システムウエア、DJI JAPAN、日本マイクロソフトの3社は共同で、建築物の外壁調査を対象にドローンとAI技術を活用し、点検結果を3次元モデルで表示する「建築物メンテナンスサービス」の開発に乗り出す。既に実証実験が始まっており、一般的にひび割れの許容範囲といわれる0.2mm(ミリ)のひび割れ検出に成功したという。