ニュース
薄い鋼板をZ形に曲げ組み合わせた「ハット形鋼SC梁」、支保工の大幅削減を実現
竹中工務店とJFEスチール、JFE建材は、施工効率の向上につながり、省力化も実現する梁部材「ハット形鋼SC梁(はり)」を共同開発した。この工法では、あばら筋や開口補強筋が不要となり、CO2削減、配筋と配筋検査の省力化、省人化が見込める。
竹中工務店とJFEスチール、JFE建材は、施工効率を向上して省力化を可能にする「ハット形鋼SC梁」を共同開発し、日本建築総合試験所の建築技術性能証明を既に取得した。
建て込みや解体といった作業手間を大幅に低減
新技術は、薄い鋼板をZ形に折り曲げ、それらを2枚組み合わせることで形成される「ハット形鋼」を用い、その内側に主筋のみを配筋した後、コンクリートを打設して一体化させた梁部材。
ハット形鋼SC梁は、鋼板がせん断力を負担するため、通常のRC梁断面で必須となるあばら筋および型枠が不要となり、現場配筋および型枠設置に関わる建て込みや解体といった作業手間を大幅に低減する。多くの構造性能確認実験で、高い安全性を有することを確認している。
コンクリート打設時には、ハット形鋼は型枠としての役割を果たす。通常の型枠と異なり、それ自身に剛性と耐力が期待できるため、通常のRC梁打設で準備しなければならない支保工を大幅に低減することが可能。直下階の作業効率・生産性を著しく向上させることにつながる。
また、コンクリート硬化後には、RC梁とS梁の剛性・耐力を有効に併せ持つ、合成構造として機能する。部材の曲げ剛性が向上し、RC梁とS梁が一体となって挙動するため、単独のRC梁やS梁と比べて、居住性能もアップするという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 竹中工務店が語るスマートビルとIoT
「住宅・ビル・施設Week2018」で竹中工務店の奥田正直氏が「スマートビルにおけるIoTを活用したソリューション」と題した講演を行い、同社のスマートビルに関する取り組みについて語った。 - 竹中工務店が8割の作業所にクラウド導入、工程表やCADデータを集約
竹中工務店は建設工事現場の作業所に設置したファイルサーバのクラウド化を開始した。工事現場や出先、本支店事業所など、場所を問わずに図面や工程表、CADデータなどにPCやタブレット端末からアクセスできるようにする。国内の全作業所の約8割に展開する予定だ。 - 竹中工務店とグラフィソフトが戦略的パートナーシップを締結
BIMソフトウェアベンダーのグラフィソフトジャパンは、竹中工務店と、BIM推進を目的とした戦略的パートナーシップを結んだことを発表した。 - 5つ星ホテルの国内初出店など2022年8月に街びらき、“宇都宮駅東口”の再開発概要が明らかに
宇都宮駅東口のPPP方式で行われる整備計画の概要が明らかになった。対象敷地2.6ha(ヘクタール)に、建設費455億円を投じて、コンベンションホールや交流広場などの公共施設と、複合施設2棟や分譲マンションの民間施設を2022年8月の“街びらき”を目指して整備する。