3割価格を抑えた人手不足に対応する簡易施工の化粧板、凸版印刷:建材
凸版印刷は、低コストで軽量なアルミ製の化粧パネル「フォルティナ レッジ」をラインアップに追加した。ルーバーに代わる「リブ型」と「フラット型」の2形状を2019年4月に発売する。
凸版印刷は、屋内外用の耐候性・不燃性を持つアルミ化粧材「フォルティナ」の普及モデルとして、低コストかつ軽量で施工しやすいアルミ製の化粧パネルスパンドレル「フォルティナ レッジ」をラインアップに追加した。初弾として、「リブ型」「フラット型」の2形状を2019年4月に発売する。
高い意匠性を持つ軽量、環境配慮のアルミ製の仕上材
新製品は、化粧シートを貼りつけずに、アルミ板の表面に直接絵柄を印刷。プリント後のアルミ板をローラーの間を通して成型する「ロールフォーミング製法」により、従来のフォルティナよりもコストを約30%低減させた。重量も、約半分以下と軽量になったことで、従来品よりも施工しやすく、工期の短縮にもつながる。
形状ラインアップの1つリブ型は、木目と黒地を交互に印刷したものを凹凸に加工することで、細長い羽板を平行に並べた“ルーバー”のように見せられ、その代替品としても導入が期待される。パネル形状のため、ルーバーと比較して施工の手間が省け、より簡単に高い意匠の空間づくりが実現する。
凸版印刷では、開発の経緯について、建築業界では人手不足と、頻発している災害の影響で、安全かつ簡易施工性の建材への要求は高まりを見せているとする。その点、フォルティナシリーズは、高い意匠性に加え、耐候性・不燃性などの高い性能、軽量で扱いやすい施工性を有しており、デベロッパーや設計事務所、施工会社などから評価され、ホテルや店舗、マンション、医療施設、駅、空港などの建物で採用実績がある。
フォルティナ レッジは、金属製化粧材を利用したいというニーズに応えるため、これまでのフォルティナよりも低コストで軽量な建材を開発した。
耐候性は、サンシャインウェザーメーターによる耐候性促進試験で、8000時間に耐える性能が認められた。不燃に関しては、国土交通省の認定試験をクリアして、不燃認定を取得している(不燃認定番号:NM-4474)。
また、製品製造の段階で、アルミ印刷で一般的な六価クロム酸による表面処理「クロメート処理」を行っていないため、環境負荷物質を含まず、内装材として環境に配慮されている。
フォルティナ レッジのラインアップは、フォルティナシリーズの木目調絵柄から3柄を厳選。「リブ型」「フラット型目地あり」「フラット型目地なし」の3タイプで、合計9種類を展開する。リブ型はその形状と施工の簡易性から、店舗のファサード部分などにルーバー代替としての導入を見込む。
凸版印刷では、店舗やホテルなどの内外装に使用可能な化粧材として、フォルティナなどの関連受注も合わせ、東京五輪やインバウンドでの需要を見据え、2020年までに30億円の売り上げを目指す。
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