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労働力調査データから見る建設技術者の雇用動向、就業者数は対前年5万人増建設業の人材動向レポート(6)

本連載では、ヒューマンタッチ総研が独自に調査した建設業における人材動向をレポートする。今回は、労働力調査データから見る建設技術者の雇用動向についてまとめた。

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 本稿では、総務省統計局の「労働力調査 基本集計」の2018年次の結果が公表されたので、今回は、その中から建設技術者に関する動向をまとめた。

■2018年、建設業の就業者数は前年より5万人増加して503万人となる

 建設業における就業者数の推移を見ると、就業者総数は2016年の492万人から2017年は498万人、2018年には503万人と増加傾向が続いており、2年間で約11万人の増加となった(図表1)。

■建設技術者は30万人から33万人に増加

 職種別に動向を見ると、建設技術者が2017年の30万人から3万人増加して2018年には33万人になっているのに対して、就業者の最も大きな割合を占める建設技能工は2017年の331万人から減少して2018年には328万人になった。

 厚生労働省の「一般職業紹介状況」によると、2018年の建設技術者の平均有効求人倍率は、現在の職業分類で統計の集計を開始した2001年以降における最高値の6.18倍に達しているが、そういった厳しい人手不足の環境の中でも、建設業各社はさまざまな工夫をこらして建設技術者を確保していると考えられる。


図表1 職種別の建設業就業者数の推移 出典:総務省統計局「労働力調査」より作成

■高齢化が若干進み、若返りはあまり実現せず

 建設業就業者の年齢階級別で構成比の推移を見ると、最も上昇しているのは「65歳以上」で、2012年の9.3%から2018年には15.5%へと6.2ポイント増えた(図表2)。

 これだけを見ると高齢化が更に進んでいるようにも見えるが、「55〜64歳」の年齢層を見ると2012年の24.3%から2018年には19.3%へと大幅に低下している。55歳以上の構成比という視点で見ると、2012年の33.6%から2018年には34.8%(+1.2ポイント)になるという結果になっており、総合的に見て高齢化は若干進んでいると言えそうである。

 次に若年層について見ると、「15〜24歳」は2012年の4.6%から2018年には5.0%となりほぼ横ばいであるが、「25〜34歳」は2012年の15.7%から2018年には13.7%(▲2.0ポイント)となっており、若返りはあまり実現していないといえる。


図表2 建設業就業者の年齢階級別構成比の推移 出典:総務省統計局「労働力調査」より作成

■女性比率は13.9%から16.3%に上昇

 続いて、男女別の就業者数と女性比率の推移を見ると、女性の就業者数は2012年の70万人から2018年には82万人となり、女性比率は13.9%から16.3%に上昇している(図表3)。

 厳しい人材不足を背景に、建設業各社は、女性技術者や女性技能工の採用を活発化していると考えられる。


図表3 建設業の男女別就業者数と女性比率の推移 出典:総務省統計局「労働力調査」より作成

著者Profile

ヒューマンタッチ総研(所長:高本和幸)

ヒューマンタッチ総研は、ヒューマンホールディングスの事業子会社で、人材紹介事業を行うヒューマンタッチが運営する建設業界に特化した人材動向/市場動向/未来予測などの調査・分析を行うシンクタンク。独自調査レポートやマンスリーレポート、建設ICTの最新ソリューションを紹介するセミナーなど、建設業界に関わるさまざまな情報発信を行っている。

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