「グランフロント大阪」でスマートシティー実現に向けたICT実験、混雑度や群衆流量を把握:スマートシティー
NECは、アジア太平洋研究所、NTT西日本と共同で、グランフロント大阪で、ICT・IoTを活用したスマートシティーの実証実験を開始した。
NECは、アジア太平洋研究所(APIR)、NTT西日本と共同で、大阪市北区の「グランフロント大阪」で、ICT・IoTを活用したスマートシティーの実証実験を開始した。
カメラ映像の分析で混雑状況や人流をリアルタイムで把握
実証実験では、2019年2月1日〜3月24日にグランフロント大阪の北館で、各種センサーを設置し、“混雑度”“群衆流量”の把握と、“異常音”の検知を行う。NTT西日本が提供するIoTプラットフォームとも連携して、安全・安心な街づくりのための仕組みを検討する。
混雑度と群衆流量の把握には、NECの「群衆マネジメントソリューション」を活用。具体的には、主要通路やエスカレーター付近など、6カ所にカメラを導入して映像を分析することで、混雑状況や人流をリアルタイムに把握する。これにより、警備員の適切な配置や避難誘導の最適化などにつなげる。
群衆マネジメントソリューションは、都市の混雑や人の流れをリアルタイムに可視化し、スムーズで快適なまちづくりに貢献するソリューション。群衆解析エッジデバイスを使用しカメラ側で解析・匿名加工することで、プライバシーに配慮した匿名加工情報として人流データを取得することができる。これまでに、G7伊勢志摩サミット期間中に警視庁との先進警備システムの実証や東京都豊島区の総合防災システムに導入されている。
また、異常音の検知には、NECの「音状況認識技術」を利用。具体的には、施設内の1カ所に複数の音センサー(マイク)を配置し、音量・音質などを解析することで、破裂音、ガラスが割れる音、悲鳴などの異常音の検知やにぎわい度の計測を行う。事件や事故の早期発見、早期解決に役立つ。
NECが本実証実験でカメラ撮影した映像からは、来街者の人数、混雑度、移動方向の推定データを生成し、分析後に破棄。顔や容貌などの検出(顔認証)は行わないという。音センサーで収録した音情報は、音量・音質の特徴量に変換し、異常音の検知やにぎわい度の計測後にセンサー内で消去し、プライバシー保護に配慮した仕組みを実現している。
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