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CLTで“循環型社会”を実現!隈研吾×三菱地所×真庭市の「CLT 晴海プロジェクト」始動CLT建築(3/3 ページ)

三菱地所と隈研吾建築都市設計事務所、岡山県真庭市の3者は2019年2月14日、東京・晴海地区で、CLT(Cross Laminated Timber/直交集成板)を用いて、国産材の利用促進と地方創生を目的とした「CLT 晴海プロジェクト」を始動させた。プロジェクトでは、真庭市で伐採されたスギ・ヒノキをCLTに用い、東京五輪開催に合わせたイベント施設を晴海に建設する。2020大会終了後には、生産地・真庭市の国立公園へと施設を移築し、地域のランドマークとして再生させる。

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CLTで都市のイベント建築が地方活性化のレガシーに

 デザイン監修を担う隈研吾氏は、施設概要を解説した。パビリオン棟ではCLT板をアミダ状に互い違いに5枚重ね、真庭市産の木材の美しさを外装にそのまま表現。上部は透過性のあるガラス屋根とし、敷地の中央に位置するパビリオン内部には展示空間を備え、音楽・展示・スポーツなどのさまざまなイベントの利用を見込む。


模型を前にCLT構造を説明する隈研吾氏

晴海でのパビリオン棟内部イメージ

ジョイント部の工夫

構造梁としてのCLTパネルの利用

 晴海では「選手村や黎明橋公園に囲まれ、1年間の運用中に、にぎわいを創出し、(CLTの認知が広がる)コミュニティーに貢献する。真庭市での再築後は、蒜山の山を背景に自然の中でも調和し、都市のイベント建築が、地方活性化のレガシーになることを想定している。このプロジェクトに刺激され、他の地域でもCLTを通じた都市と地方間の交流がより進むのではないか」と期待を寄せた。

 パビリオン棟は、建物全体の鉛直荷重は鉄骨の通し柱で負担させ、それを補強する強度の高いヒノキのCLTが構造梁(はり)として機能する。「構造的に合理的な解決を図り、木の現しとするため、鉄とCLTのジョイントをどう魅せるか模索した。ぜひ、木目の美しさを間近で確認してもらいたい。日本はもともと木との関わりが深い国。CLTは木材の制約を超えることができ、木と建築の関係性を再構築させる」と語った。


中谷元氏と石井正弘氏の「CLTで地方創生を実現する議員連盟」を交えた発表会出席者でのフォトセッション。

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