前田建設と高知工科大が包括的連携協定を締結、大学内のICI分室とテレビ会議システムで共同研究
前田建設工業と高知工科大学は、社会的課題の解決や社会インフラ分野における科学技術の振興と発展に寄与することを目的とした包括的連携協定を締結した。
前田建設工業と高知工科大学は、社会的課題の解決や社会インフラ分野における科学技術の振興と発展に寄与することを目的に、包括的連携協定を締結した。
大学の「知のネットワーク」と「発想力・空想力」で建設業にイノベーションを
この提携では、両者が保有する革新的なアイデアや技術を迅速に社会実装することを目指し、互いをサポートする体制を構築する。前田建設工業は、多様なパートナーとの協創により革新的技術や新ビジネスの実現を目指す場として、2018年12月に茨城県取手市で「ICI総合センター ICIラボ」を開設。ここを拠点にして、高知工科大学の「知のネットワーク」と「発想力・空想力」、さらには協創パートナーの力を結集し、社会課題の解決を強力に推進していく。
包括的連携協定では、1.共同研究プロジェクトの推進、2.連携促進マッチング活動と技術指導、3.教育および人材育成、4.高知工科大学に所属する学生のインターンシップ、5.社会貢献、6.上記目的を達成するために必要な事項の6項目を取り交わした。
今後は、前田建設工業をはじめ、同社が支援するベンチャー企業などが、高知工科大学の学術指導を受けられるようになる。協定締結を機に、大学内にはICI総合センターの分室を開設し、ICI総合センターと専用回線のテレビ会議システムで結び、いつでも学術指導や会議などが開催できる体制を整えた。
同社では、高知工科大学が持つ多様な分野にまたがる「知のネットワーク」を有効に活用しながら、学生が持つ「自由な空想力、発想力」をイノベーションにつなげていく。その一環として、高知工科大学の学生を対象に、社会課題を解決するための独創的、または革新的なアイデアを募集する「イノベーションアワード」を実施し、優秀な提案に対しては、実現に向けて全面的に支援するという。
また、高知県における社会的課題には、オープンイノベーションで育て上げたアイデアや技術を社会実装できれば、その成果を広く日本国内へ展開していくことも見据える。
2019年1月30日に行われた高知工科大学での調印式で、高知工科大学 磯部雅彦学長は「この協定には、高知県の産業の活性化も図れるというメリットがあり、大学、前田建設工業、高知県の産業界も含めた、WIN-WIN-WINの関係が構築できる」と期待を寄せるコメントを残した。
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