ZEBを目指す技術研究所と開発部門を統合した高砂熱学工業の新センター着工、つくばみらい市に2020年完成(2/2 ページ)
高砂熱学工業は、茨城県つくばみらい市の用地に、技術研究所を移転し、本社機能の開発企画・開発部門も併設する「(仮称)イノベーションセンター」の建設工事に、2020年1月末の完成を目指し着手した。
オフィス棟で「ZEB」、敷地全体で「ZEB Ready」を目指す
建物全体に省エネソリューションを施すことで、オフィス棟では「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)」、敷地全体では「ZEB Ready」を目標としている。ZEB Readyは、50%以上の1次エネルギー消費量の削減、ZEBは50%以上の省エネと創エネで100%以上の1次エネルギー消費量の削減を達成した建物を指す。
ZEBを実現する各種技術としては、昼光利用と卓越風を利用した自然換気窓の採用、地下水をカスケード熱利用した3つの空調システム、金属製放射パネルを輝度面とした柔らかい光による間接照明システム、超小型木質バイオマスガス発電機を導入する。
カスケード熱利用の空調システムは、地下水のゼロ次熱で地下水蓄熱槽による直接床放射空調、1次熱でデシカント空調機・放射空調・デスク空調・DCファン付コイルユニット、2次熱で水冷ヒートポンプ空調機をそれぞれ活用する。
省CO2と知的生産性向上の両立を掲げるセンター新築プロジェクトは、多彩な技術の導入提案と先導性が評価され、国土交通省の「2018年度 第1回サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」に採択。オフィス棟のZEB、センター全体としてZEB Readyを目指し、昼光利用や自然換気、地下水のカスケード熱利用、使用目的に応じた方式でのタスク空調など、省CO2と知的生産性向上の両立に向けた多彩な技術を導入する提案で、先導的と評価された。
完成後は、空間に応じた空調システムを運用し、快適な執務空間に向け、個別調整が可能な運用システムを採り入れることで、企業活動の企画や開発にどういう影響をもたらすか知的生産性向上についての検証を進めていく。
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