検索
ニュース

陸と水中を面的に計測するドローン搭載可能な「グリーンレーザースキャナー」を国内初実用化ドローン(2/2 ページ)

パスコとアミューズワンセルフは、陸上と水中を面的に計測するグリーンレーザースキャナーの実用化に成功した。グリーンレーザースキャナーは、国内初の地上と水底を面的に計測可能なドローン搭載型のシステム。洪水発生時には、これまでは路面が乾くのを待つしかなかったが、全天候型ドローンに搭載すれば、被災中の状況把握も可能となる。

Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

ペイロード3kg以上のドローンであれば機種問わず搭載可

 開発したグリーンレーザースキャナーは、国内初の地上と水底を面的に計測可能なドローン搭載型のシステム。総重量は2.8kg(キロ)で、積載可能重量(ペイロード)が3kg以上のドローンであれば、メーカーや機体を限定せずに運用することができる。

 最長測定距離は300m(メートル)以上で、精度は±5mm(ミリ)。検証では透明度の高い海域で、沖合400m間、最深部で約9mを計測。面的スキャンでは、砂州の形状をはじめ、最深部約6mや海中部の暗礁などを3次元モデルで可視化した。


海での検証。左が標高段彩図、右が陰影図に水面を描画したもの 提供:パスコ

 河川の検証では、近赤外線レーザーとそん色ない陸部の地形再現性、既往航空レーザー測深よりも詳細な水部の地形再現性が確認された。


「グリーンレーザースキャナー」の河川での計測横断図。近赤外線レーザーとの比較 提供:パスコ

 2018年12月に実施した堰(せき)での実験では、高度50mで水深約3.4m、高度150mで水深約2.5mまでの河床地形データを取得し、高度が上がるにつれ、より広範な計測データを得られることを実証した。


堰(せき)での検証。高度別データ取得範囲 提供:パスコ

 パスコでは、ドローンレーザー計測に必要な3つのアプリケーションも開発。3次元点群出力とキャリブレーション用のアプリをはじめ、3次元点群編集ソフトではノイズ除去、フィルタリング処理、3次元の地形モデルへの変換を行う。さらに、点群や3次元地形モデルの閲覧と簡単な解析を行うアプリも用意し、計測計画の立案や高度で手間のかかる3次元点群の生成や点群編集などを簡易化させた。

 グリーンレーザースキャナーの販売展開は、アミューズワンセルフが行い、実用化に成功したグリーンレーザースキャナーのさらなる軽量化を目指す。

 一方、パスコは、河川域の面的な管理に活用し、河川管理業務の効率化・高度化に取り組む。「自然災害発生時の現状把握やため池の改修・整備、森林の維持管理、国土強靭化を掲げるインフラメンテナンスなど幅広い用途への適用を図っていく」としている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

前のページへ |       
ページトップに戻る