中小ビルを再生する「Reビル事業」で地方初、新聞社の旧輪転機室を天井高12.6mのオフィスにリノベ:ビル再生(1/2 ページ)
築年数の経過した中小ビルを改修して、ビルの価値をよみがえらせる三菱地所レジデンスが進める「Reビル事業」で、地方初となる新聞社所有の7階建てビルのリノベーションが完了した。改修工事では、有効活用されていなかった旧輪転機室を天井高12.6mの開放感あるオフィス空間へと生まれ変わった。
三菱地所レジデンスは、築年数の経過した中小ビルなどを再生して賃貸する「Reビル事業(既存ストックリノベーション賃貸事業)」を進めており、2019年1月31日には福岡市博多区で、地方初のReビル事業「ザ・パークレックス 博多」のリノベーションが完工したことを明らかにした。
三菱地所レジデンスがマスターリースし、工事費を負担
Reビル事業は、竣工後に年数が経過した建物を三菱地所レジデンスがおよそ10年間一括賃借(マスターリース)し、同社の負担でリノベーション工事を行って、ビル再生を図る。リノベ後には、テナントを転貸し、転貸差益により投資を回収。マスターリース期間の終了後には、建物は現状有姿でオーナーに返還される。そのため、ビルオーナーは少ない投資で、改修した建物の取得が可能となり、その後も賃料収入を得られるメリットがある。
テナントニーズを見定めたリノベーションやコンバージョン(用途変更)などは、三菱地所レジデンスが企画する。リノベーションの設計やテナント募集は、グループ各社やオープン・エーと連携してあたる。
Reビル事業は、2014年5月より展開を開始し、2017年4月には三菱地所および三菱地所設計にも、専門部署を設立して、グループ全体で同事業を強化してきた。これまでの実績では、オフィス、住宅で22物件(うちリノベーション完了は17物件)を事業化している。
今回、改修工事が終わった完了したザ・パークレックス 博多は、三菱地所経由で建物所有者の日本経済新聞社から、旧輪転機室(印刷工場)を有効活用したいという要望があり、設計に三菱地所設計が加わり、3社協業のもと事業化した。
改修のコンセプトは、「MEDIA Base at HAKATA-EAST Area〜博多イーストエリアの経済と文化の発信拠点〜」を掲げ、博多イーストエリアの新たなカルチャーを生み出し、発信する拠点を目指した。
高度経済成長期に、日本経済新聞社西部支社の印刷拠点の一つとだったという地下1階・地上1階の「旧輪転機室」は、地上1階部分の床を立体的に復元。天井高12.6m(メートル)を確保したダイナミックなオフィス空間に、コンバージョンしている。
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