ジャストだからできる強み?建設に特化したAI学習用の教師データ作成サービス:AI
ジャストは2019年1月30日、建設業界に特化したAIを学習させるディープラーニングに必要な教師データの作成サービス「J-Brain Annotaition」の提供を開始した。
建築物の非破壊検査などを行うジャストは、建設業界に特化したAIを学習させるための教師データ作成サービス「J-Brain Annotaition」の提供を開始した。
建設のドメイン知識・データ分析力・現場力で、高品質な教師データ提供
J-Brain Annotationは、データサイエンティスト、ビジネスコンサルタント、建築・土木専門家から成る専門チームで、AIのディープラーニングに必要な高難易度・高品質な教師データを作成するサービス。
建築・土木業界でAIを活用するには、建築部材の名称、損傷の種別、図面の理解など、専門的な判断を伴う、取得データへのラベル付け作業が必要となる。そのため、420人以上の体制で、年間3000棟を超える構造物の検査・調査・診断業務を行っている豊富な知識を兼ね備えた建築・土木の専門家が、生データを分類する“アノテーション”を行うため、高難易度かつ高品質な教師データが提供可能になる。さらに、自社でデータサイエンティストも抱え、ディープラーニングの開発や受託実績があるため、高いデータ分析力も有する。
データ取得に関しては、ドローン、1億画素の高精細カメラ、赤外線カメラなど、データ取得に必要な多用なデバイスを保有しており、現場でのさまざまな生データ取集にも対応する。
教師データ作成のプロセスとしては、まずユーザーにAI理解度や体制の確認などのヒアリングを行う。次のコンサルティングでは、データ数、撮影方法・デバイス、アノテーションソフトを検討する。その後、現場で実際に生データを取得し、マニュアル作成やラベル付けなど、取得データに対して関連情報を付与する“アノテーション”作業に移り、最終成形品の教師データを納品する。
ジャストの担当者は「作成期間は、データ数にもよるが、多くのケースで1〜2カ月程度のプロジェクト案件が多い」と話す。
アノテーション例としては、鉄筋サビと爆裂や鉄骨造の腐食状況評価の他、銅板の屋根画像からサビの劣化判定で、ピクセル単位の分類でサビを識別すること、外壁の画像から数十種類の仕上げ材を判定することなどが想定されている。
サービス価格については、「情報の量、質、難易度、データの特徴などを考慮して、個別に見積りさせて頂く」とコメント。
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