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本社ビルの実証・実演で判明した三菱地所がビル管理業務に“ロボット”を導入した理由ビルメン用ロボット(3/3 ページ)

三菱地所は2019年1月22日、本社が入る東京・大手町の「大手町パークビル」で、清掃ロボットや警備ロボットなどの実演デモや実証実験を行った。

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6時間稼働に対して充電は1時間半、各種センサーを搭載

 SQ2は、三菱地所が5億円を出資したSEQSENSE(シークセンス)が開発したビル内を警備する自律移動型ロボット。SEQSENSEは、明治大学の黒田洋司教授らが設立した大学発ベンチャー。

 SQ2の操作は、清掃ロボットのように、ルートを覚えこませるのではなく、行くべきポイントを指定すれば、自動でルート上を移動する。SQ2の頭部には、3D SLAMを可能にする独自技術の3つのレーザーセンサーを備え、稼働中は常時回転することで、疑似的に3次元の空間を認識。自ら立体地図を生成しつつ、ロボットの自律制御で難しいとされる自己位置を推定し、高精度の自律走行を実現。人や障害物に対しては、本体前後に装備した赤外線センサーで検知してぶつかる前に停止する。また、赤外線のため、夜間や暗闇の中の稼働でも支障は無いという。


廊下を巡回警備する「SQ2」

頭部に備えられた回転する3つのレーザーセンサー

SQ2のルート。赤いポイントを指定すると自動で巡回ルートを走行する

 搭載しているカメラは、画像認識によって人物を認識する。将来的には、社内の人間の顔をクラウドに登録し、その場で照合するなどして、不審者にはアラートを発令するなどの機能を付与することも検討されている。

 ロボットの動作は、防災センターで複数台をリアルタイムに一元管理でき、気になった箇所の撮影なども指示することが可能。センター側から、ロボットを通して声掛けする会話機能もある。巡回後には、クラウドにレポートが出力され、撮影された写真とマップの他、前回(正常時)との比較が並んで表示される。


SQ2の管理画面。人物を認識しているところ

SQ2の巡回後のレポート。右の写真が正常状態、真ん中が巡回結果、左の地図の黒点が撮影箇所

 他の機能では、サーモセンサーも備えているため、トイレの巡回中に個室内に倒れている急病人の発見や火災の早期検知に役立つ。

 現状では警備巡回以外にも、消火栓のランプ切れなどの確認も行っている。ランプ部分の写真をクラウド上に保存するだけで、消防設備の点検履歴を残すことにもなる。

 三菱地所・渋谷氏は、SQ2のメリットを「他の警備ロボットは稼働時間2時間などのものが多いが、その点SQ2は6時間。充電時間も、1時間30分ほどで済み、警備業務の効率化がもたらされる。実導入は、2019年中を目指したい」と語った。

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