170周年記念「久光製薬ミュージアム」が省エネ率103%で“ZEB”取得、竣工後は「BEMS」を運用:ZEB
五洋建設は、佐賀県で建設中の「久光製薬ミュージアム」で、省エネ率103%を達成し、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS:Building Energy-efficiency Labeling System)の最高ランク「☆☆☆☆☆」の「ZEB(ゼロ・エネルギー・ビル、Zero Energy Building)」の認証を取得した。同認証は、佐賀県で初の取得となります。
五洋建設は、佐賀県で建設中の「久光製薬ミュージアム」で、創出エネルギーを含む省エネ率103%を達成し、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS:Building Energy-efficiency Labeling System)で最高ランク「☆☆☆☆☆」の「ZEB(Zero Energy Building)」の認証を取得した。同認証は、佐賀県で初の取得となるという。
チェッコ・ボナノッテ氏の意匠設計を損ねることなく、省エネ率103%を実現
2014年に国が策定した「エネルギー基本計画」では、2020年までに新築の公共建築物を対象に、2030年までには新築建築物にも適用範囲を広げ、平均でZEBを目指す政策目標が設定されている。ZEBのビルとは、年間1次エネルギー消費が正味(ネット)でおおむねゼロとなる建築物。国内でのZEBの概念はより広義で、太陽光発電などによる創エネルギー以外の省エネ効果で、省エネ基準に対して50%以上の削減性能を持つビルを指す。
今回、ZEB認証を取得した五洋・伸晃JVが施工を手掛ける久光製薬ミュージアムは、久光製薬の創業170周年記念事業として計画。2019年2月の竣工を目標に、佐賀県鳥栖市田代大官町で建設が進められている。施設の基本デザインは、著名な彫刻家・チェッコ・ボナノッテ氏が、設計・監理は安井建築設計事務所が担当している。
五洋建設では、久光製薬の「より豊かな社会の発展と地球環境保全を目指したCSR活動」の推進に応えるべく、「ZEB化」の技術提案を行った。
提案では、屋根の断熱強化や空調設備などの省エネ化に加え、各種センサー設置による設備機器の運転制御システムなど、省エネ技術を適切に組み合わせ、高い省エネ効果を立案した。
また、ミュージアムにはエネルギー計測のための「BEMS(Building Energy Management System)」も導入。完成後は、利用時のエネルギー消費量をモニタリング・分析し、採用技術の効果把握と運転制御技術の蓄積を図っていくとしている。
創エネルギーでは、太陽光発電を採用。四方に障害物の無い公園内に位置するため、太陽光発電パネルが地上から見えないようにも配慮している。そのため、ファサードをはじめ、意匠性の高い基本デザインを変えることなく、創エネルギーを含めた省エネ率103%の「ZEB」が実現した。
久光製薬ミュージアムの概要は、鉄筋コンクリート造・地上2階建て、延床面積687.63m2(平方メートル)。
五洋建設ではこれまで、2012年に竣工した東京・文京区の本社ビル別館で、同社におけるZEB化の先駆けとなる建物として、各種の省エネルギー技術を導入。その後、2018年には、5社共同で、ZEBを構成する省エネルギー技術の導入効果を設計段階で評価できるシステム「ZEB評価ツール」を開発した。これにより、有効かつ高度で先進的な各種省エネ技術を設計に反映できるようになり、積極的なZEB化推進の体制が整った。
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