国交省、ドローンを使った河川砂防検査技術の開発に最大3年で3000万円助成:技術公募(2/2 ページ)
国土交通省は、「河川・水防災技術分野」など5分野で、所定の課題解決に向けた先端技術の研究開発を助成する技術公募を開始した。応募は2019年1月11日まで受け付けている。
河川工事や砂防工事、災害の被害軽減、河川・砂防の維持管理の技術開発
「地域課題分野(1.河川)」と「地域課題分野(2.砂防)」は、いずれも課題提案型。国交省の管理する河川や砂防関係事業が抱える技術的な課題に対し、若手研究者と各管理者の協働による課題解決を求める。具体的には河川は、河川工事・維持管理、水害等の被害軽減、総合的な水資源対策、健全な水・物質循環の構築に関する技術など。砂防は砂防関係工事をはじめ、土砂災害の被害軽減、生態系・景観など渓流環境の向上、総合的な土砂管理に関する技術。これらの研究開発に対し、原則3年以内で、500万円まで助成される。
「地域課題分野(3.河川生態)」は課題指定型。2021年度の新規公募テーマは、河川・湖沼における大規模な推移変動が、陸域・海域との連続性を含めた生態系に及ぼす影響の解明と、防災・減災も意識した健全な生態系の保全・再生手法に関する研究を行う。研究段階は、FS研究(フィージビリティスタディー研究)と一般研究とに分かれ、FS研究は、河川管理者と学識者が連携して解決すべき課題について、一般研究の実施計画案を策定する。一般研究は、FS研究の成果を踏まえ、設定された課題について、解決策を検討。生態学と河川工学などを組み合わせた学際的なアプローチで、今後の河川整備や管理の高度化・合理化などにつながる成果を得る。一般研究に先立つ、FS研究は原則1年以内、年間500万円までの補助となる。
「流域計画・流域管理分野」は課題提案型。河川管理と都市計画・地域計画を関連させ、水害に対する流域の安全性向上とコンパクトシティーなどのまちづくり政策を組み合わせる。課題例では、「水災害リスク情報のまちづくりなどへの利用促進方策」や「河川と下水道の連携による既成市街地の水害被害軽減方策」などが示されている。原則3年以内、合計500万円まで手当てする。
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