次世代のスマート調光ガラス「Halio」、BEMSとの連携で自動調光も可能に:住宅・ビル・施設Week 2018
AGCは、「第3回 スマートビルディングEXPO」で次世代のスマート調光ガラス「Halio(ヘイリオ)」」のPRを行った。ヘイリオは、IoT技術をガラスに取り込み、熱やまぶしさを自動制御し、空調費削減の効果も見込め、ビルの付加価値を高める新建材。
AGCは、「第3回 スマートビルディングEXPO」(「住宅・ビル・施設Week 2018」内、2018年12月12〜14日、東京ビッグサイト)に出展し、スマート調光ガラス「ヘイリオ」を前面に出したブース展開を行った。
クラウド接続でBEMSと連携、照度センサーとの組み合わせで自動調光も
ヘイリオは、AGCとキネストラル・テクノロジーズ社の合弁販売会社が提供する調光機能を有する透明ガラス。通常のガラス同様にクリアから、可視光線を最大99.9%遮断するダークまで、ムラなく均一に変わるので、ガラスの色を好みの調光レベルに変えることができる。クリアステージは一般的なLow-Eガラスと同じ透明度で、ダークはニュートラルグレーの空間デザインを損なわない色調となっている。
ガラスは、スマート調光デバイスを4mm(ミリ)の高透過熱処理ガラスで挟んだ複層ガラス。まぶしい直射日光をシャットアウトし、屋内に入り込む日差しの熱を大幅に低減。建物の省エネ効果を高め、空調コストの削減も見込める。環境性能評価では、LEEDやBREEAMのポイント獲得につながり、ビルの付加価値がもたらされる。
断熱・遮熱の効果の他にも、プライバシーの保護、一般的にブラインドやカーテンに覆われがちな建物からの眺望確保といったメリットにも期待できる。
調光操作は、クラウドを通して、PC、スマートフォンアプリ、ティントセレクター、互換製品などで手軽にコントロール。ビル・マネジメント・システム(BEMS)との連携も可能で、照度センサーとリンクさせれば、温度や天候の変化、時間帯による自動調光も実現する。なお、クリアからダークまでの調光時間は3分で行える。
制御システムは各パネルに設置されたドライバーが必要な電力を供給し、パネル別に調光レベルを指示。ドライバーをまとめるゲートウェイでは、クラウドや各制御機器間の通信を行う。
既にグローバルではデザイン性を重視した施設で導入実績が決まっており、日本市場向けには、ヘイリオインターナショナルの新工場より提供される。
ガラスへデザイン表現する「GLASSILED」
会場では、LED内蔵ガラス「GLASSILED(グラシレッド)」も展示。建物の外装としてのファサードサイネージシステムで、高透過かつ低抵抗な透明導電膜に通電することにより、内蔵された単色またはRGBのLEDが点灯。これまで建築資材の一つに過ぎなかったガラスをデザイン表現のツールとして提案する。
ラインアップは、ガラス面にロゴや文字を表示する“サイン”、日中はガラスファサード、夜はサイネージと2つの顔を持つ“モーション”、両面ガラスの“ユニ”の3タイプ。最大サイズは、サインとモーションが2700×1500mm、ユニが3000×2000mm。
全てベルギーで生産され、厳しい品質基準に適合し、ガラス・電子部品に関するEU圏のCE要件を満たしている。
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