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透明なのに絵が浮かぶ、ガラスをメディア化する自発光中間膜:住宅・ビル・施設Week 2018
積水化学工業が「第3回 建材・住設 EXPO」で開発中の自発光中間膜「Talking Light」を披露。透明度や視認性を損なうことなくガラスに画像や文字を映せるという。
積水化学工業は「第3回 建材・住設 EXPO」(「住宅・ビル・施設Week」内、東京ビッグサイト、2018年12月12〜14日)に出展し、開発中の自発光中間膜「Talking Light」を披露した。透明度や視認性を損なうことなくガラスに画像や文字を映せる技術だ。
Talking Lightは、合わせガラスに利用する中間膜の材料に、特定波長の光を当てると発光する材料を混ぜている。この合わせガラスに専用プロジェクターで事前に用意したコンテンツを投影すると、映像や画像、文字などを浮かび上がるという仕組みだ。
ガラス自体の透明度を損なわない点も特徴だ。視認性を損なわないため、ショーウィンドーなどのガラスとしても利用できるという。ビルやショーウインドーのガラス自体を、情報伝達媒体として利用できるというわけだ。既に一部の商業施設などに実証導入を行っている。
この他、UVカットや、破損時にガラスが飛散しにくいなどの機能も備える。オプションで、遮熱機能を加えることも可能という。現時点での発光色は緑と青のみだが、赤もラインアップに加える予定。積水化学工業では2019年度中の販売を目指すとしている。
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