清水建設ら「東京国際展示場新棟」の大屋根、40mまでリフトアップ
清水建設を幹事会社とするJVは12月4日、東京・江東区の東京国際展示場増築工事で、増築部分を覆う大屋根のリフトアップ工事を実施した。
清水建設を幹事会社とする建設共同企業体は12月4日、都内の東京国際展示増築工事で、増築部分を覆う大屋根のリフトアップ工事を実施した。大屋根は重量は約500t(トン)、面積約2200m2(平方メートル)に及ぶ。ワイヤケーブルとジャッキを使い、地上40mの高さまで吊り上げた。
正式な施工業者は、清水・銭高・村本・共立建設共同企業体(JV)。増築部分の構造は、鉄骨・一部鉄骨鉄筋コンクリート造で、展示棟は5階、駐車場棟7階。建築面積2万6096m2に対し、延べ床面積は6万6495m2となる。工期は2016年12月から2019年6月の予定。
工事中の展示棟は、72m四方の2つの棟、各5000m2の展示ホール2層で構成する。増築により展示面積は約2万m2拡大する。今回、リフトアップした大屋根は、各棟の大空間を覆う中央部で、47m四方の広がりを持つ。
大屋根のリフトアップ工程では、展示場棟4階の床が完成後、同床上で大屋根ユニットの施工を開始した。さらにリフトアップ用のジャッキを設置する仮設の鋼製櫓4体を、2つの展示ホール外周の躯体上に配した。それら各櫓に4台ずつ、計16台のジャッキを設置。ジャッキ1台の最大揚重能力は50t。
その後、ワイヤケーブルでジャッキと大屋根ユニットの四隅16点を連結し、揚重。4階床からは13.2m、地上からは40.8mまで大屋根を吊り上げた。リフトアップの所要時間はおよそ2時間だった。
同工法のメリットは、ほぼ完成状態の部材を引き上げることから、高所作業が不要となり、効率性と安全性が大幅に向上することだという。16年8月に実施された増築工事の施工業者を決める入札ではこの提案が評価され、受注に至った。なお、2018年11月13日にも同規模の大屋根のリフトアップを実施している。
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