CAD向け水性大判プリンタで“トップシェア”をねらう、エプソンの販売戦略:CAD向け水性大判プリンタ(3/3 ページ)
エプソンは、CAD向け水性大判プリンタをリニューアルした。これまでの既存ユーザーの買い替え需要はもちろん、これまでになかった小規模オフィスの設計事務所や小規模の建設会社にも販売注力していくという。
水性機市場で年間1万台、シェアNo.1をねらう
――ターゲットとする市場と販売戦略
平林 エントリーシリーズは、図面やパース印刷などのCAD市場の主力機。建設現場以外にも、とくに現在のエンドユーザーとしては少ないが、小規模の建設会社や工務店、設計・デザイン事務所など、小さな事務所や自宅で図面・パースを印刷する「SOHO(Small Office/Home Office)」のCAD需要も掬い取る。
プロモーションでは、大手家電量販店での実機展示などで、まずは身近なプリンタとして知ってもらい、これまで24インチ以上のプリンタに目を向けていなかった購買層にも訴求していく。
スタンダードシリーズは、CAD用途以外にも、文教分野での印刷需要を見込む。日常の授業で使う教材、ポスター、校内掲示物、学校行事での横断幕などのプリントに活用してもらいたい。別売りのフラットベットスキャナーと組み合わせた「セットモデル」を追加し、ニーズの多い教材の拡大コピーにも対応している。
平林 ハイパフォーマンスシリーズは、画質やプリントボリュームに応じた機種選択ができる。PostScriptへ出力する際は、オプションのPSユニットをセットすることで対応可能だ。他社の様に別途でRIPソフトウェアを必要としないため、専門知識や専用ソフトの操作は不要となる。
ダブルロールでプリント量の多いゼネコンでの採用をはじめ、小売り/流通でもこの機種でPOP/ポスターを手軽に作成できるように、コンテンツを拡充していく。スペックは高いながらも、幅広いユーザーに使ってもらえる大判プリンタとしたい。
今後も拡大が見込まれる2020年東京五輪の建設需要に期待して、当社の水性機全ラインアップで今後1年間で1万台の販売目標を掲げ、“トップシェア”を目指していく。
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