3Mコンクリ型枠止水テープが、3mm以上の隙間を防ぎ橋梁や高速向けに対応:製品動向
スリーエム ジャパンは2018年11月1日、「3M コンクリート型枠ジョイント止水テープ 2237CR」を発売した。止水テープをコンクリートの養生前に、型枠の接続部に貼るだけで、バリとなる砂目地の発生を抑え、施工の簡略化と見た目の良いコンクリートの仕上がりにつながる。従来品の2237ではカバーできなかった3mm(ミリ)以上の隙間に対応し、大きな隙間ができやすいインフラ大規模構造物のコンクリート打設へも用途を拡大した。
スリーエム ジャパンは、3M コンクリート型枠ジョイント止水テープのラインアップに、3mm以上の隙間に対応した2237CRを追加した。コンクリートの養生前に、型枠の接続部にテープを貼るだけで、砂目地の発生を抑え、除去作業が不要になる。
型枠接続部からの漏れを防ぎ、工期短縮とコンクリの美観向上に寄与
通常コンクリート打設では、複数の型枠をつなげて生コンクリートをじゅう填する。この際に、型枠の接続部から生コンクリートが漏れた状態(ノロ漏れ)で固まり、つなぎ目のバリとなる“砂目地”が生じることがあり、脱型後にはこれを除去するための補修作業が手間となっていた。
実際に、工期が5日の場合で、砂目地の除去作業にはプラス1日を要し、人手不足が深刻な建設現場では大きな負担。また、ノロ漏れによるコンクリートが付着した型枠自体も、別途で表面をきれいにするケレン作業が必要となる。
3Mの止水テープの表面には、おむつなどに使われる「高分子吸収体(SAP)」を採用。生コンクリートのじゅう填前に型枠の接続部分に貼るだけで、高分子吸収体の粒子が水分を吸収して約400倍に膨らむ。これが型枠間の隙間を埋めることで、コンクリート漏れを防ぐ。
2014年から販売している従来品2237は、易施工性と美観向上の効果の高さから、施工者から評価される一方で、3mm以下の隙間にしか使用できなかった。
今回発売した「3M コンクリート型枠ジョイント止水テープ 2237CR」は、業界で初めて、3〜5mmの隙間にも対応した厚手タイプ。3ミリ以上の隙間が発生しやすい、橋梁(きょうりょう)や高速道路などの現場でも、砂目地の発生を抑制する。
同製品を使用することで、砂目地の除去作業が要らず、工期が短縮され人件費を削減することにつながる。
3Mコンクリート型枠ジョイント止水テープ 2237CRは、NETIS(新技術情報提供システム)に登録されている(NETIS 登録番号TH-140011-VE)。サイズは10mm×1m(メートル)巻き。厚さは2.16mm。販売価格はオープン。
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