大林組と米国大手の設計事務所“HKS”が、「北海道ボールパーク(仮称)」の設計・施工を一括受注:受注動向
北海道日本ハムファイターズが、北海道北広島市で計画している新球場構想で、大林組とHKSが共同で設計・施工を受注したことが明らかになった。
大林組は、北海道日本ハムファイターズが北海道北広島市で計画を進める新球場「北海道ボールパーク(仮称)」の建設工事を、米国ダラスに本社を有する大手建築設計事務所「HKS」と共同で、設計・施工を一括で受注したことを明らかにした。
日本最大級の可動屋根と開放的なガラス壁面を提案
新球場は、日本ハムと北海道日本ハムファイターズが約600億円の総事業費をかけて目指す「スポーツと生活が近くにある、心と体の健康を育むコミュニティー」のシンボルとなる施設。計画地は、北海道北広島市共栄(きたひろしま総合運動公園)で、球団の親会社日本ハムが2018年10月31日に正式発表していた。
入札は、技術提案型の総合評価方式で、設計・施工者を一括で選定することになっていたため、大林組は球場設計を多く手掛けてきたHKSと共同で応札した。HKSはこれまでに、現在建設中のテキサス・レンジャーズ本拠地「Globe Life Field」やミルウォーキー・ブルワーズ本拠地「Miller Park」など、数多くのスタジアムの設計実績がある。
同施設は、「“北海道のシンボル”となる空間を創造する」をコンセプトに、食とスポーツを有機的に融合させることで健康を育み、ファイターズのフランチャイズである北海道の道民、市民、ファンが愛着と誇りを持てる施設を目指す。さらに選手のパフォーマンスが最大限に生かされるスタジアムを中心に据え、国際競争力を有するライブ・エンタテイメントタウンの実現も求められていた。
両社は、HKSの豊富な実績に基づく「発想力」と、大林組の高い「技術力」を組み合わせることで、北海道にふさわしい豊かな自然環境を生かしたボールパークを提案。スタジアムの収容可能人数は3万5000人で、快適な観戦環境の確保と天然芝フィールドの実現を目的に、日本最大級の可動屋根と開放的なガラス壁面を採用し、特徴的な外観でありながら周囲の自然環境に溶け込むデザイン。また、多様な観戦スタイルの提案やフィールドが見渡せる360度コンコースの採用など、新たな観戦体験も計画としている。
工期は、2018年11月に基本設計および実施設計に順次入り、着工は2020年春ごろ。33カ月間の工期を経て2023年1月の竣工、同年3月の開業が予定されている。北海道ボールパークの規模は、地下1階・地上4階建て、RC・S造で、建築面積は約5万m2(平方メートル)、延べ床面積は約10万m2。
なお、施主は、北海道日本ハムファイターズ、日本ハムに加えて、両者と電通が設立した準備会社「北海道ボールパーク」。北海道ボールパークは敷地計画から球場のデザイン、関係各所との協議・検討、事業面におけるフィジビリティスタディーなどを担う。
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