野村不が掲げる新・街づくり構想「BE UNITED構想」、プラウドシティ日吉に初導入:街づくり構想
野村不動産グループは、将来迎える“人生100年時代”を見据え、新たな街づくり構想「BE UNITED構想」を発表した。BE UNITED構想は、5つの街づくり活動「ACTO」で具体的に推進される。第1号物件として、横浜市で計画されている大規模複合施設「プラウドシティ日吉」にこの理念を導入する。
野村不動産グループは2018年10月10日、これからの“人生100年時代”で、価値観やライフスタイルが多様化することを見込み、未来に向けた新たな街づくり構想「BE UNITED構想」を発表した。
新・街づくり構想は、街の共用部、エリマネ組織など5つのACTOで構成
国内では現在、人口減少や少子高齢化による需要減や働き手の不足、コミュニティーの崩壊など、さまざまな社会課題に直面している。さらに環境面でも、地球温暖化や気候変動による自然災害の脅威が拡大している。
こうした背景を踏まえ、野村不動産グループでは、人々が「住まい」「働き」「集い」「憩う」の多機能かつ高い利便性を兼ね備えた「都市型コンパクトタウン」の開発に注力。これまでのハードとしての街づくりに加え、個人や団体、学校、企業など多種多様なプレイヤーによるソフトとしての連携基盤を有する街づくりを目指していく。街への愛着や誇りが、街をより良く育くむ「シビックプライド」の醸成へとつながる街づくりをBE UNITED構想と位置付ける。
BE UNITED構想を実現するため、5つの街づくり活動「ACTO」に取り組む。ACTOは、誰にでも扉が開かれた場所「開(あ)くとびら」であり、さまざまな活動のきっかけ「アクション」となるようにとの思いを込め、ネーミング。
第1弾として、神奈川県横浜市港北区で開発が予定されている「プラウドシティ日吉」の街づくりにBE UNITED構想と、具体的な仕組みとして「ACTO」を採り入れる。プラウドシティ日吉は、「人生100年時代の住みたい街」をテーマに街づくりを進める多世代対応・多機能集積型の大規模多機能複合開発。免震構造を採用したレジデンス棟3棟・総計画戸数1320戸の住宅を中心に、敷地内および隣接地で複合商業施設や地域貢献施設、健康支援施設、横浜市立の小学校、サービス付き高齢者向け住宅の建設を予定している。
プラウドシティ日吉に取り入れる5つのACTOは、マンション居住者のみならず地域のさまざまな個人・法人との連携の場として活用できる「街の共用部」を敷地内に開設。野村不動産グループ社員である「エリアデザイナー」を配置し、マンション居住者のみならず、地域のさまざまな個人・法人と連携して活動をサポートする。
エリアコミュニティーの活動では、主導的な役割を担う「エリアマネジメント組織」を設立。コミュニティー活動やイベントの情報発信などを行う「街サイト」も開設し、地域の掲示板機能を果たす。
竣工前の「地域ネットワーク・拠点づくり」では、周辺地域との交流ネットワークを形成するため、敷地の一部を活用し、地域の交流拠点として「吉日楽校」をオープン。吉日楽校は、「仮設のHUB拠点-まちへの新しいあいさつの形」として、2018年度グッドデザイン賞を受賞している。
野村不動産グループでは、2020年までにACTO導入予定の開発プランとして、亀戸計画(2019年着工)、池袋計画(2019年着工)、板橋計画(2020年着工)を既に予定しているという。
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