ニュース
CIM×ARのインフラ維持管理、点検画像と変状情報を点群データ上に表示:Autodesk University Japan 2018(2/2 ページ)
建設コンサル最大手の日本工営は、ARとCIMモデルを活用したインフラの維持管理を行っている。CIMモデル上にMicrosoft HoloLensで取得した点検情報や画像を貼り付け、一目で以前の点検内容が分かる独自のシステムを構築した。
点群データ上のARオブジェクトに点検結果や画像が表示
点群データは、施設や構造物全体のXYZ座標値を担い、HoloLensのWorld Anchorは部屋ごとなどのローカル座標を示す。ローカル座標は、XYZに対応する3つのポイント「既知点」を取ることで、座標変換ができるようになり、全てのARオブジェクトの位置と向きをDynamo上で属性情報を登録することで、点群データに反映させられる。画像だけでは位置情報が分からず、点群データだけでは構造物のひび割れは把握できないという問題点が2つのデータを重ねることで解決される。
具体的には、HoloLensで撮影したARオブジェクトは、Dynamoを組み込んだCIMソフトウェア「3ds Max」「Revit」で制作したCIMモデルに反映。点群データは、3Dスキャンソフト「ReCap」または「AutoCAD」で読み込み、両方のデータはレビューソフト「Navisworks」に出力される。
倉橋氏はまとめに「インフラの維持管理は、調査・点検から、診断評価、措置、記録までの“メンテナンスサイクル”と、計画から、措置、事後評価、計画改善までの“マネジメントサイクル”の2つのサイクルを上手に回すことが重要だ。そのためには、CIMモデルなどを用いた構造物の情報の適切な整理や表示が不可欠になる」と提言して締めくくった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 計測スピード最大200万点/秒のポータブルレーザースキャナー、3次元点群データを2分で生成
ライカジオシステムズは、計測用のポータブルタイプのレーザースキャナー「Leica RTC360 3D レーザースキャナー」を2018年秋に発売する。 - 「Autodesk Revit」で旭化成建材・岡部の柱脚262点が利用可能に
オートデスクが提供するBIMソフトウェア「Autodesk Revit」のアドオン「ST-Bridge Link」がバージョンアップし、旭化成建材と岡部の柱脚工法262点が新たに追加された。 - オートデスクBIM/CIMソフトウェアを2018年版にバージョンアップ
オートデスクは建築・土木インフラ業界向けBIM/CIMソフトウェアの2018年バージョンをリリースした。建築用の「Revit」はユーザーからのニーズを反映させ、インタフェースや表記、タブ表示、クラウド連携など、作業効率の改善につながる更新がなされた。 - BIMデータを数分でVRで使えるデータに変換、「Autodesk Live」
オートデスクは「Autodesk Revit」で作成したBIMデータを、VR機器やタブレット端末などで活用しやすいデータに変換できるクラウドサービス「Autodesk Live」を9月下旬から発売する。