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2014〜2017年で橋梁の点検実施率80%、“予防保全”の修繕は進まず

国土交通省は、道路点検の実施状況や点検後の措置状況をとりまとめた「道路メンテナンス年報」を公表した。2014年以降の4年間で点検の実施状況は、橋梁80%、トンネル71%、道路附属物75%と着実に点検が進んでいることが判明した。

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 道路メンテナンス年報は、2013年の道路法改正を受けて、翌2014年より道路管理者は全ての橋梁(きょうりょう)、トンネルなどを対象に5年に1度、舗装の健全性を判定する近接目視を行っている。今回発表された調査報告では、4年目にあたる2017年度の点検の実施状況や点検後の措置状況を年報としてとりまとめている。

5年に1回の近接目視は、初年度で直轄国道は実施率19%

 年報によると、2014〜2017年の累積点検実施率は、「橋梁」80%、「トンネル」71%、「道路附属物」75%だった。橋梁は72万3495件を対象に、2016〜2017年度で毎年24%をクリアし、2018年度は残り23%のみとなった。

 トンネルは、1万878件を対象に、2016年度から15%、17%、18%、19%と増加しているものの、まだ31%が未点検となっている。シェッド・大型カルバート、横断歩道橋、門型標識などの道路附属物の総数は3万9875件で、2018年度は22%を点検する計画。

 次回点検までに措置を講ずべきと判定された「判定区分III(早期措置段階)・IV(緊急措置段階)」と判定された物件は、橋梁で10%、トンネルで43%、道路附属物で15%だった。

 都道府県別にみると、橋梁では北海道(III・1342、IV・25)に次ぎ、新潟県(III・1156、IV・1)、長野県(III・1027、IV・21)の順。トンネルは長野県、新潟県、熊本県で、比較的多い傾向が見られた。道路附属物は、新潟県(III・212、IV・0)でトップ。次点で北海道(III・117、IV・0)となった。

年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
橋梁 9% 19% 26% 26% (残20/23%)
トンネル 13% 16% 18% 24% (残29/31%)
道路附属物 16% 21% 20% 18% (残22/22%)
5年間の点検計画・累積点検実施率(全道路管理者合計)

 緊急輸送道路および跨線橋に限ってみると、緊急輸送道路を跨ぐ跨道橋(1万3196件)は83%、跨線橋(9116件)は75%、緊急輸送道路を構成する道路(12万378件)は80%。

 判定区分III,IVの割合は、緊急輸送道路を跨ぐ跨道橋で約12%、跨線橋で約22%、緊急輸送道路を構成する橋梁で約11%だった。

年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度
緊急輸送道路を跨ぐ跨道橋 17% 22% 23% 21% (残17%/22%)
跨線橋 11% 18% 23% 23% (残25%/20%)
緊急輸送道路を構成する道路 14% 24% 24% 19% (残20%/17%)
緊急輸送道路及び跨線橋等の点検計画・累積点検実施率(全道路管理者合計)

 2017年度から始まった5年に1回の頻度で目視を基本とする点検では、初年度の直轄国道の実施率は約19%。2020年度までに100%を目指す。

 点検の結果、健全性判定区分では、アスファルト舗装約1万1300km(キロ)については「修繕段階」のIIIは15%にあたる約1660km。同様にコンクリート舗装は約500kmのうち、4%の約20kmだった。


5年間の点検計画・累積点検実施率 出典:国土交通省

 また、点検後の修繕・措置では、2014〜2016年度点検施設に関しては、判定区分III・IVの修繕が、橋梁(4万2438件)15%、トンネル(2304件)40%、道路附属物(3457件)27%となっている。管理者別では、国土交通省の管理するIII・IVの橋梁は62%にあるのに対し、市町村はわずか13%にとどまっている。

 一方で、緊急性は有さないものの、判定区分IIの予防保全のための修繕は、橋梁(19万9338件)3%、トンネル(2764件)10%、道路附属物(1万2467件)13%と、まだまだ進んでいない実態が明らかになり、今後もインフラメンテナンスの重要性は高まることがうかがえる結果となった。


III・IV判定の橋梁における点検年次別修繕着手率 出典:国土交通省

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