平田晃久氏が設計したホテル外観を8面の大型看板で覆う建築デザイン「ナインアワーズ」
カプセルホテル「ナインアワーズ」が大阪府内に初進出することが明らかになった。現在建設中のホテル外観は8面の大型看板が、さまざまな高さや角度で立体的に覆う独創的なものになる。現状、景観との調和は看板を縮小することが一般的とされる中、あえて大型看板を起用することで商業都市の賑わいに溶け込むファサードとした。
トランジットサービスを提供するカプセルホテル「ナインアワーズ」が2018年10月22日、大阪府内に初進出することが明らかになった。JR新大阪駅東口から徒歩1分の立地で、ホテル外観は8面の大型看板で覆った独創的なファサードになる。
建築設計は平田晃久氏、サインは廣村デザイン事務所が担当
新店舗「ナインアワーズ新大阪」は、ナインアワーズと日本毛織の両社によって大阪市東淀川区東中島に開業する。建築設計は建築家の平田晃久氏、サイン&グラフィックデザインは廣村デザイン事務所代表の廣村正彰氏、クリエイティブディレクション・プロダクトデザインはDesign Studio S 代表の柴田文江氏がそれぞれ手掛ける。
建築デザインは、新大阪駅に近づくにつれ沿線にひしめくように立ち並ぶ大型の屋外広告との調和を図った。商業都市としての活気を感じさせながら、街の彩りや風景をつくり出す新大阪駅前の景観に溶け込む外観を目指したという。
ホテル外観を覆う8面の大型看板は、新大阪駅ホームのどの位置からも視認できるよう、メイン構造とともにパイプを用いたサブ構造で支え、さまざまな高さや角度で立体的に設置することを可能にした。看板からは、ホテルのイメージを街に発信するとしている。
館内は、自然光を取り込めるようガラスが多用されているものの、看板が外部の視線からの目隠しを担う。看板の内側は、映像が投影できるスクリーンで、迫力ある大画面のビデオと、新幹線や飛行機が行き交う風景の両方を楽しめる。夜には、映像の光がガラスに映り込み、街を淡く照らすなど幻想的な空間となりそうだ。
ナインアワーズは、ホテル滞在中のシャワー・睡眠・身支度の3つの基本行動に特化した機能性と品質を追求する考えのもと開発。その名称は、汗を洗い流す「1h」、眠る「7h」、身支度「1h」を足し合わせた「9h」から生まれた。また、部屋という空間概念を捨て、身軽に使えることで、街とダイレクトにつながり、都心ならではのトランジットサービスを提供する。このため、宿泊だけでなく、仮眠やシャワーのみの利用にも24時間体制で対応している。
店舗概要などは次の通り。所在地は大阪府大阪市東淀川区東中島1-19-9、所有は日本毛織、運営はナインアワーズ、日本毛織。延べ床面積は992.56m2(平方メートル)、敷地面積233.59m2、地上8階建、客室数164室(男性76室、女性88室)。施工業者は大和ハウス工業。
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