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飛島建設ら3社が“木材活用”の地盤補強工法で、日本建築センターの評定を初取得(2/2 ページ)

飛島建設、住友林業、ミサワホームの3社が共同開発を進める「丸太打設軟弱地盤対策&カーボンストック工法(LP-SoC工法)」が2019年度にも実用化されそうだ。同工法は、自然の丸太を地中に打設することにより、軟弱地盤の補強と炭素の貯蔵を同時に施すもので、地球環境対策や国産材の利用拡大につながると期待される。

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地盤補強対策にも木材を積極活用し、持続可能な森林経営へ貢献

 今回、BCJの評定を取得したのは、地中での鉛直支持力の設計手法、施工方法、現場品質管理方法に関するもので、戸建て住宅などでの採用に向けた最初のステップになる。開発にあたっては、飛島建設が計画の立案・進捗などの総括管理を担当し、3社間で研究の実施と実用化の検討を行った。これまでの経験を生かし、住友林業とミサワホームがBCJに対する評定取得の対応を担ってきた。結果、2018年1月26日付で評定を取得し、このほど評定に関わる各種手続きを完了、BCJに最終図書が受理されたと公表した。


現場実証実験のようす 出典:木材活用地盤対策研究会

 今後について3社は、丸太頭部の処理方法や継ぎ丸太への対応、住宅地などの平面的な地盤補強の設計方法と品質管理方法を課題に研究開発を進め、2019年度の実用化を目指すとしている。現在、戦後に植栽されたスギやヒノキは伐期を迎え、国産材の利用拡大に向けた取り組みが広がっているため、地盤補強対策にも木材を積極活用することで、持続可能な森林経営へ貢献できると見ている。


大潟村における秋田県立大学敷地内での実証実験 出典:飛島建設

 3社では2014年2月、木材を生かした地盤対策技術の普及と向上を目的に、「木材活用地盤対策研究委員会」を発足。近年採用の進む「丸太打設液状化対策&カーボンストック工法(LP-LiC工法)」の展開とともに、新たな軟弱地盤対策工法としてLP-SoC工法の共同開発を進めてきた。「LP-LiC工法」とは、砂質土の緩い地盤に丸太を静的に打設し、地盤の密度を高める液状化対策工法で、施工方法はLP-SoC工法とほとんど変わらない。

 「LP-LiC工法」は既に先端建設技術センターから技術審査証明、日本建築総合試験所から建築技術性能証明をそれぞれ取得している。なお、両工法は、林野庁が推進する「平成29年度 新たな木材需要創出総合プロジェクト事業」のうち、「地域材利用促進のうち新規分野における木材利用の促進」の補助事業の成果にあたる。

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