“無電柱化”による多条配管をコンパクトにする「角型エフレックス」、古河電気工業:メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2018
無電柱化の足かせとなっている埋設スペースと膨大な工事費用。これらの解決策として、ケーブル保護管のトップメーカーである古河電気工業が、地中の多条配管をコンパクトにする新製品「角型エフレックス」の本格的な販売を開始した。
古河電気工業は、地中の多条配管をコンパクトにする新製品「角型エフレックス」の本格的な販売を開始。東京ビッグサイトで2018年7月18〜20日に開催された「第4回 無電柱化推進展」で全ラインアップを披露した。
パイプを積み上げる多条配管の工事を大幅に簡素化
同社は、国内初となる地中埋設用ケーブル保護管「エフレックス」を1967年に発売して以来、長年にわたり電線ケーブル用“可とう保護管”のトップメーカーとして地位を確立している。可とう保護管とは、電線ケーブルを収容・保護する合成樹脂製のパイプで、無電柱化の管路方式には欠かすことのできないツールである。
「角型エフレックス」は、エフレックス発売50周年の節目にあわせ、2018年2月にリリース。従来のエフレックスが持つ軽量性を継承しつつ、波形状になっているパイプ外観形状の山部を角型・谷部を丸型とし、曲げやすさを損なうことなく、各パイプを積み上げる多条配管の設置工事を大幅に簡素化する。これにより、コンパクトな多条配管の断面を実現し、掘削量削減や施工費低減に大きく貢献する。配管継手類も、エフレックスで長年培ってきた作業性と止水性に優れた部材を提供するとしている。
国内では2016年2月に成立した「無電柱化推進法」に加え、政府が掲げる2020年までに4000万人の外国人観光客の誘致目標など、景観や防災対策の観点から今後一層に各地でケーブルの地中埋設化が進められる見通しとなっている。しかし、埋設化には歩道下空間が限定されることや膨大な工事費用といった多くの課題が残されており、電気設備の多条配管をコンパクトにする必要性が年々高まっていた。無電柱化に要する費用は、1km(キロ)当たり5億円とも言われている。
角型エフレックスのラインアップは、内径φ50、81、100、130、150mm(ミリ)の5種類で構成する。直管に比べてコストが3倍近くかかる曲管が不要なところも重要なポイントで、東京都のように多条配管が入り乱れるようなエリアであれば、大幅なコスト削減を実現する。主な用途として無電柱化のほか、管枕不要で省スペースにケーブルを収納できるため、トンネルや工場などでの採用も見込む。
一方、地方の無電柱化では、都心エリアとは逆に、長距離にわたり直管のケーブル保護管を埋め込む必要が生じる。展示会場では、この効率化を図る提案として、米国・バーミヤ社のトレンチャーにケーブル保護管を積み、土の掘削と管の取付を同時展開する新たな施工方法も紹介。国外では東南アジアなどで先行採用されている方法で、通常のショベルカーであれば30m(メートル)掘削するのに30分ほど要した工程が、ものの3分ほどで管路も同時施工できるという。
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