長谷工が構想する「BIM」とマンション情報を集約させた「LIM」のプラットフォーム構築:BIM/CAD(2/2 ページ)
長谷工コーポレーションは、長谷工オリジナルの「BIM(Building Infortmation Modeling)」と、マンションに関わるさまざまな情報を“見える化”する独自の概念「LIM(Living Infortmation Modeling)」を本格的に活用し、住まい情報と暮らし情報のプラットフォーム構築を目指している。
BIMとLIMの連動で、ICT技術のさらなる活用へ
LIMはマンションやマンションに住む人のあらゆる情報をセンサーやIoTモニタリングシステムを使って、見える化(モデル化)するというものだ。マンションのBIMモデルを基礎にLIM情報を集約し、LIMで得た課題や解決策をBIMにフィードバックして、大規模修繕や次のマンション建築に生かすというように、BIMとLIMが互いに連携することを想定している。
さまざまなサービスに適応可能な形式に見える化することで、セキュリティ、情報サービス、見守り、防災、保守、修繕といったマンション日々の暮らしから長寿命化までに役立てる。
BIMとLIMを連携させて見込まれる展開では、マンションの情報をセンシングするセンサーネットワークの構築をはじめ、AIやロボットの積極的な活用による設計・施工の効率化、クラウドサービスアプリケーションの開発などがある。さらにマンション以外では、30年以上前から参入しているシニア事業で、既に老人ホーム23施設で導入している在宅介護やライフワーク支援への介護ロボットやコミュニケーションロボットの導入を進める。
また、不動産分野でも資産価値の維持や向上に役立つ修繕履歴のデータベース化やIoT・AIによるマンションモニタリングなど技術の検討を行い、同業他社も含めた業界標準の可能性も探っていく。
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