三田の再開発で組合設立認可、事業費1620億円で総延べ22.5万m2
住友不動産が約1620億円を投じて進める東京・三田三、四丁目の再開発事業が2018年6月22日、東京都より組合設立認可を受け、本格的に始動することになった。計画では、核となる複合ビルはエリア最高の高さ215m(メートル)となる他、マンションなどの住宅棟2棟、三田通りに面した複合棟の計4棟を建設する。区域全体の延べ床面積は22万5500m2(平方メートル)となる見通し。
住友不動産が参画し、2017年9月に都市計画が決定されていた「三田三・四丁目地区第一種市街地再開発事業」が、2018年6月22日付で東京都知事より再開発組合の設立認可を受けた。
エリア最高高さ215m・42階建ての中核となる業務棟を建設
事業では、約4haの区域を1〜3街区に分けて、住宅、商業、学校、文化・交流などの多様な機能を備えた全4棟の開発を総延べ床面積約22万5500m2の規模で進める。1街区では新たなランドマークとなる田町・三田エリア最高の高さ約215mの地下3階・地上42階建ての業務棟を建設。延べ床面積は約19万6000m2超となる計画。2街区には、地下1階・地上6階(高さ約22.5m)、延べ床面積7200m2の複合棟2。3街区は、地下1階・地上9階(高さ約31.5m)と、地下2階・地上4階(高さ約12.5m)の住宅棟。コンサルタントには日建設計、上野計画事務所、佐藤不動産鑑定コンサルティングが参加している。
計画地は都営浅草線「三田」駅にほど近く、国道15号(第1京浜)と主要地方道301号線(三田通り)が交差する「札の辻交差点」の角地に位置する。現況は、大部分が駐車場として利用されている。
この再開発事業では、地区周辺に所在する住友不動産がこれまで開発してきた三田ツインビル西館などの施設と、用途の相互補完などの連携を図り、より多様な機能を備えた面的な街づくりを行う。新たにバリアフリー化した歩道橋や歩行者デッキなども新設し、地区と周辺市街地をつなぐ安全で快適な歩行者ネットワークを形成する。隣接街区と一体となった緑豊かな合計約1万5400m2もの緑地や広場などを設け、人が行き交い、集いにぎわい、災害時の対応拠点ともなる充実した都市基盤の整備を推進するという。
「三田三・四丁目地区第一種市街地再開発事業」は、2010年度に準備組合が設立され、2017年度に都市計画が決定され告示。2018年6月22日付で組合設立が認可され、今後は権利変換計画の認可を経て、2018年度内に着工し、2023年度の工事完了を目指す。
計画地前の第1京浜を挟んだ向かい側の芝五丁目の敷地2291m2では、港区が事業者となって複合施設の建設が計画されている。施設は、事務所、集会所、図書館、物販店、飲食店、駐車場で構成。構造・規模は、RC造一部S造、地下1階・地上12階(高さ57.95m)建て、延べ床面積1万8307m2。基礎は直接基礎。着工は2018年8月上旬、完成は2021年8月下旬の予定。設計はアール・アイ・エー、施工は現時点で未定。
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