VRでお悩み解決体験も、三菱ビルテクノがショールーム刷新:FM
三菱ビルテクノサービスが本社のショールームを刷新。「見て、触れて、実感できる」をコンセプトにした施設で、VRを活用したファシリティマネジメントの体験コーナーなども用意した。
三菱電機ビルテクノサービス(東京都荒川区)は、「見て、触れて、実感できる」をコンセプトにした体験型ショールーム「M's station(エムズステーション)」を大規模改修し、2018年6月1日からリニューアルオープンする。今回のリニューアルにより、事業内容・市場優位性の訴求力強化や顧客との接点強化・多様な同社商品およびサービスの認知度向上を目指す。
M's stationは、三菱電機製のエレベーター・エスカレーター、空調機器、セキュリティ、ビル管理システムなどのビル設備の実機を体感しながら、新設・メンテナンス・リニューアル、快適なビル環境づくりを提案するため、2002年に同社本社内に開設した施設。フロア面積は1階が585m2(平方メートル)、2階が約46m2。これまでビルオーナーや管理者、管理会社、設計事務所の関係者など延べ約8万人が来場している。
新たなM's stationは、これまでのコンセプトを踏襲しつつ、ビル運用における、メンテナンスの重要性や課題解決の提案をよりわかりやすく実感できるよう、映像やデジタルツールなどを用いたコンテンツを多くのコーナーで採用した。エレベーター・エスカレーターゾーンでは、メンテナンスプレゼンテーション、エレベーター保守作業シアター、エレベータービジョンなどの各コーナーを新しく設けた。このうちエレベータービジョンは、天井と壁全体に14面のマルチモニターを配した、実物大のかご空間で、エレベーターの映像コンテンツが体験できる意匠シミュレーターとなっている。エレベーターのリニューアル前後の比較や超高層エレベーターからの眺望も体験できる。
ファシリティゾーンでは新たにVR(バーチャルリアリティ)体験コーナーを設置した。ヘッドマウントディスプレイを活用し、空調やセキュリティなどの悩みに対して、病院、工場、オフィスの各用途に最適なソリューションを体験できるコンテンツを用意しているという。
同社吉川正巳社長は「2020年の東京五輪・パラリンピックが間近に迫り、当社の事業拡大のチャンスがあると考えている。こうした市場環境の中で、機器単体のサービスだけでなく、全体を総合的に連携した新たなサービスの価値を提供するというニーズが高まってきた。一方で、デジタル技術の進展もあり、当社の技術を分かりやすく説明できるさまざまなツールも登場している。M's stationを今回リニューアルすることで当社の技術・ソリューションをより訴求していきたい。また、AI、IoT、ビッグデータなどの活用による次世代のサービスについても展示している。ファシリティ事業についても、快適性、省エネ性、安心・安全について当社ならではの技能、技術をベースにした提案を行っている」などと今回のリニューアルのねらいなどを語った。リニューアル後の来場者数は、これまでの実績である年間4000〜5000人から2000人程度増加することを見込んでいるという。
なお、同ショールームの2階フロアでは24時間、365日体制で顧客のビル設備を見守る東京情報センターが業務を行っている。全国8カ所ある情報センターの中で、最大の規模となっており、平日昼間はスタッフ20人体制で受信業務を行う。災害時にはスタッフを増員して対応するという。
三菱電機ビルテクノサービスは1954年に設立。昇降機をはじめ空調・冷熱機器、セキュリティ機器、ビル管理システムなどビル内の設備の販売、据え付け、保守サービス、ニリューアルまで一貫したサービス・ソリューションを事業展開している。2018年度末でのエレベーター・エスカレーターの管理台数は約25万台、空調・冷熱機器の管理台数が44万台、遠隔監視サービスの契約件数は約1.7万件。ビル設備保守件数2.9万件、事業所数は全国約280カ所があり、2016年度の売上高は昇降機事業が2189億円、ファシリティ事業1063億円の合計3252億円となっている。
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