旭硝子の5階建て研究棟やMM21ふ頭にホテル新設など、横浜市が認定
横浜市は市内で計画されている5件の事業計画を支援対象に認定した。このうち、施設の建設に絡む案件は、旭硝子の研究棟、みなとみらい21(MM21)のホテル、テクノ菱和の研究開発施設の3件。
横浜市は2018年4月25日、企業立地促進条例に基づき、3月30日付で新たに5件の事業計画を認定したことを公表した。これで、2017年度内の認定件数は13件で、認定件数全体でみると131件となった。
横浜市が企業立地促進条例で5件のプロジェクトを認定
企業立地促進条例は、市内の特定地域で大規模な企業立地を促進して、雇用の増大や事業機会の拡大を促し、横浜経済の活性化を目的とした大規模なインセンティブ制度。事業計画には土地・建物を取得する「固定資産取得型」と、賃借する「テナント型」の2つがあり、条例の規定を満たし、企業立地が横浜市経済の活性化に資すると認められれば、助成金が交付される。固定資産取得型の助成金額は、投下資本額に助成率を乗じた最高12%、最大50億円まで。テナント型は法人市民税(法人税割額)の軽減があり、最大1億円/1事業年度(4〜6年間)。
今回、計画が認定された5件のうち、テクノ菱和の研究開発施設、旭硝子の新研究棟増設、T・Yホールディングスのホテル新設の計3件は固定資産取得型。残りの日立オートモティブシステムズのソフト開発部門新設とジャパン マリンユナイテッドの本社移転は既存のオフィスビルに入居するテナント型。
各計画をみると、産業用空調・冷暖房設備の設計・施工管理を行うテクノ菱和は、新しい研究開発施設を都筑区大棚町に建設。都内の技術開発研究所を移転し、横浜支店の機能も集約させる。「省エネ・環境技術の発信拠点」として、地域に親しまれる施設を目指す。構造・規模はS造地上3階建て、延べ床面積は約2397m2(平方メートル)。投下資本額は21億5300万円で、支援額は3800万円。
最も支援額が高額だった旭硝子は、京浜工場内(鶴見区末広町1-1)に研究棟を増設し、市内で分散している基盤技術開発・新商品開発・プロセス開発・設備技術開発の各機能を統合。他企業や研究機関とのコラボレーションを行う空間も整備する。研究棟・付属棟は、SRC造地下1階・地上5階建て、延べ床面積は約4万7327m2。投下資本額は181億2400万円で、支援額は13億9900万円。
T・Yホールディングスのホテル新設は、みなとみらい21地域の新港ふ頭(中区新港2−14−1)に、高品質ホテルを建設。海と近接する魅力的な立地環境や、CIQ(税関・出入国審査・検疫)施設、商業施設と一体となった利便性の高い宿泊施設を整備する。
ホテル運営は、横浜グランドインターコンチネンタルホテルが行い、クルーズ客船乗客の前後泊のニーズに応えるとともに、国内外からの観光客が集い賑わう横浜市の新たな観光拠点となることを目標に掲げる。ホテルは、S造5階建てで、延べ床面積は約3万211m2(ホテル占有面積はこのうち6割)。投下資本額は86億200万円で、支援額は12億2500万円。
テナント型の日立オートモティブシステムズは、みなとみらいグランドセントラルタワー(西区みなとみらい4-6-2)に、ソフト開発部門を新設し、京浜地区の日立グループ企業との円滑な連携による事業の強化と、ソフト開発エンジニアの人材確保を図る。支援額は1400万円。
ユニバーサル造船とIHIマリンユナイテッドが合併、2013年に発足したジャパン マリンユナイテッドは、本社を東京都内から、横浜ブルーアベニュー(西区みなとみらい4−4−2)に移設。執務フロアを集約して仕事の効率化を図り、会社として一体感のある経営を行っていくとしている。支援額は2100万円。
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