建設現場の映像を一元管理、土木工事の進捗管理や報告業務に活用
第一電子は2018年4月23日、土木工事の現場映像を進捗確認や安全管理などに利用できる新たなCIMソリューションのサービスを開始した。
事務機やOA機器の販売を行う第一電子は2018年4月23日、公共の土木工事などを対象に、映像データを自動的にコマ送り動画に変換して、解析・編集・評価などを容易に行える映像プラットフォーム「映像CIMクラウドソリューション」の提供を開始したことを発表した。
高セキュリティを実現したクラウド型映像管理サービス
映像CIMクラウドソリューションは、企業向けにセキュリティ関連ソリューションの販売を行うエリアビイジャパン、監視カメラ管理ソフトウェアを提供するアロバ、土木建設向け映像活用サービスを提供するスリーフィールズの合計4社が共同で開発した。
ソリューション運用は、スリーフィールズが提供する土木・建築向け映像活用サービス「VCIM(ブイシム)」、アロバが提供するクラウド型監視カメラ録画サービス「アロバビュークラウド」と連携。主な機能としては、施工現場の映像データを一括してモニタリングし、録画データの再生、静止画をつなぎ合わせて作ったコマ送り動画「タイムラプス」へ変換、映像の解析などができるようになる。
映像管理画面では、一覧表示や日報入力、検索の機能があり、担当者別の評価点を入力する欄も用意されている。コマ送り動画のタイムラプス映像はサムネイル表示されるため、施工情報がまとめて管理でき、ストリーミングでの視聴も可能。再生画面では、特定のポイントで映像にオーバーラップさせ、任意の時刻に印を付けてメモやコメントを書き込むこともできる。
映像データへのアクセスには、エリアビイジャパンが提供する大手企業を中心とした700社の導入社数と、2万8000本以上の出荷実績を持つリモートアクセスサービス「SWANStor(スワンストア)」のセキュリティ機能を利用。監査証跡のためのアクセスログをはじめ、独自の端末認証機能を備え、不正アクセスをシャットアウトするなど、セキュリティレベルの高いデータ管理とアクセス環境を備えたプラットフォームを実現した。
開発の背景には、土木・建築現場でも国土交通省指導の下、調査・設計段階から3次元データを導入するCIM(Construction Information Modeling)の制度化が進みつつある一方、3次元モデル化による情報共有のプラットフォーム構築の難しさから、分かりやすく、正確な情報共有を行う手段が無いということがある。
その点、映像CIMクラウドソリューションは、現場に監視カメラを設置するだけで、自前で映像データ管理のIT環境を整える必要がない。また、分散する複数現場からの映像データを一括管理することで、映像を通した現場の確認だけでなく、不正防止、安全管理、報告業務、社員教育など、多様な用途に利用できることも見込まれている。
販売のマスターディラーとなっている第一電子では、土木・建築の現場だけではなく、製造業の工場・設備で労務管理や防犯といった利用や、農業分野で鳥獣対策、商業施設での導線把握など、業種の垣根を超えた用途拡大に期待を寄せている。
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