オートデスクBIM/CIMソフトウェアを2018年版にバージョンアップ:BIM/CAD(2/2 ページ)
オートデスクは建築・土木インフラ業界向けBIM/CIMソフトウェアの2018年バージョンをリリースした。建築用の「Revit」はユーザーからのニーズを反映させ、インタフェースや表記、タブ表示、クラウド連携など、作業効率の改善につながる更新がなされた。
日本のみ、BIM導入で約半数のゼネコンにコスト削減メリット
4月20日に東京本社で開催された発表説明会では、同社のアジア太平洋地域土木事業開発統括部長・福地良彦氏(博士/工学)が、建築向けBIMと土木用CIMが国内外でどのような動きがあるのかを解説した。
福地氏によると、先進諸国ではBIMの義務化が始まっており、とくに発注者サイドの働きかけで推進されることが多いという。その理由として、海外でのBIM導入で各関係者が得られるプロジェクトコスト削減の割合を見た場合、69%を「発注者」が占めている。
しかし、日本は逆で、全てのリスクを負っているゼネコンに半分以上メリットがもたらされる格好となり、発注者はわずか2割。これにより、BIMの投資対効果は、リスク配分に比例すると指摘した。また、BIMの国内での普及については「トップダウンのアプローチが有効な国内の建設業界では、他国よりも浸透しやすいのではないか」と分析した。
一方、土木・インフラのCIMに関しては、国交省が海外での浸透度を5年前から調査に乗り出し、2018年度から国内での義務化を進めていると説明。実際にCIMが義務化となれば、契約前の発注段階で、発注者が要求事項(リワイヤメント=EIR)を受注者に求め、それに対応できる企業のみしか入札に参加できなくなる。契約後は、CIMモデルに作成に関する実施計画書(BEP)をまとめ、円滑な事業実施のため、受発注の双方で確認して進めていくことになる。
国土交通省では、2017年度から1〜2年で大規模構造物工事を中心にCIM適用を図り、第2段階にあたる2018年度は基準・ルールの整備やシステム開発を推める。2020年度は最終段階として、大規模だけでなく維持管理も含めた全てに3次元データ活用の導入を図る方針を示しているとした。
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