事務所に戻らず現場だけで仕事を完結、ゲンバノートに動画共有の新機能(2/2 ページ)
MateMoJi(メタモジ)は、iOS用高機能デジタルノート「GEMBA Note(ゲンバノート)」の法人向け製品をVer4.0にアップデートし、2018年4月11日に出荷開始した。動画共有やカスタマイズ開発の新機能が追加され、現場だけの作業完結や本社や事務所との情報共有など、業種を問わずに現場が抱えるさまざまな課題を解決する。
動画機能で新たなコミュニケーションツールとして活用
同日、都内で開かれた記者発表会で代表取締役社長・浮川和宣氏は、「キーボードが無いからこそ現場で使える利点やiPadと手書きの有用性を認識し、“現場ファースト”を第一に考えて『GEMBA Note』を開発した。機能については、高度なノート機能と、報告書作成などの定型業務との融合を図った。現場の作業者が簡単に使えること、全機能が素早く動くこと、多くの業務を現場で済ませるといった多機能性を実装させた。今回のバージョンアップでは、ノート上で動画を添付できる機能を搭載。現場で働く人は孤立することが多く、作業現場とオフィスをつなぐ新しいコミュニケーションツールとして役立ててもらいたい」と説明。
開発ディレクターの宮田正順氏は、「新機能の動画投稿は、外部サーバを使うのではなく、セキュリティガードされているMetaMoJiのサーバ上で行う。現場で起きるトラブルを手書きのメモなどと一緒に映像や音声で残し、遠方のオフィスでも状況などが確認できるような情報共有に活用して欲しい。動画を貼り付けることで、業務マニュアルとしても利用でき、アイデア次第で多様な使い方が可能だ」とした。
また、導入企業の成功事例紹介では、日本エコシステムにおける現場のIT化支援の事例を取り上げた。同社の太陽光発電設置の実績は戸建ての既築住宅でトップクラスの3万8000棟以上。これまでは施工場所で収集した情報をオフィスに持ち帰り、報告書や指示書の作成に膨大な時間が費やされていたため、現場での資料作りの割合がわずか8%にとどまっていた。iPadとGEMBA Noteを導入したことで、現場での資料作成率が60%超まで大幅に向上。現場に出ている時間が増えたことで、全体の生産性もアップし、社員の働き方も変わった。
MetaMoJiは、ソフト開発企業やハードウェアメーカー、業務コンサルタント、販売会社向けにパートナー企業を募集しており、2018年4月18日午後2時から東京都港区のベルサール六本木グランドコンファレンスセンターで、導入企業の成功事例やセールスポイントなどを紹介するパートナー向けイベントを開催する。
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