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NTT西日本がAIで道路の路面診断、解析結果を“見える化”:情報化施工
NTT西日本は、AIを使った安価かつ効率的な道路路面診断を提供している。同社では2017年11月から検証を進めており、商用化のめどがついたため、2018年3月末から全国でサービス展開を開始した。
NTT西日本とNTTフィールドテクノは2018年3月30日、AIを活用した道路の路面診断ソリューションの提供を開始した。
同ソリューションは、道路路面性状に関する「データ収集」「データ解析・診断」「解析・診断結果の視える化」をワンストップで提供するサービス。
具体的には、一般車両にスマートフォンとビデオカメラを搭載し、路面状況のデータを収集する。集積したデータを基に、独自アルゴリズムによる路面性状評価(IRI推定)や、AIによる画像解析でひび割れの検出とひび割れ率を推定。解析・診断結果は、クラウド地図でマッピングして、損傷状況や異常箇所が簡単に把握できるように「視える化」する。
背景には、高度成長期に集中して整備された全国の道路網は、建設後40年以上が経過し老朽化が進み、適切な管理の必要性が高まる一方で、全国の広範な道路を点検・診断するコストや労力、点検員ごとの判断のばらつきなどが大きな課題となっていたことがある。このソリューションの開発により、道路点検手法の効率化・自動化が実現したことで、道路維持管理の課題解決につながる。
提供料金は診断距離1kmあたり1万8000円(税別)。提供方法は個別契約。
NTT西日本グループでは、このソリューションをベースに、路面標示や標識、街路灯など、さまざまなインフラ構造物に対象を広げ、状況把握や点検の効率化を推進していくとしている。
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