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ステレオカメラで配筋検査、事前準備無しで瞬時に鉄筋径や本数が分かる検査・維持管理

鹿島建設は、NEC、オリンパスと共同で、自動配筋検査システムを開発した。配筋した検査対象をステレオカメラで撮影するだけで瞬時に自動計測が可能となり、また検査前の準備作業も不要にした。

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 鹿島建設は2018年2月、NEC、オリンパスと共同で、ステレオカメラとタブレット端末を連動させた自動配筋検査システムを開発したと発表した。配筋した検査対象をステレオカメラで撮影するだけで瞬時に自動計測が可能となり、また検査前の準備作業も不要にした。


左:タブレット端末に取り付けられたステレオカメラ 右:検査時のイメージ 出典:鹿島建設

 本システムは、視差により奥行き方向の情報が取得できるステレオカメラで検査対象を撮影することで、コンクリート構造物の3次元データをタブレット内部で自動生成し、3次元データから配筋された鉄筋のみ抽出を行う。


検出された配筋3次元データ 出典:鹿島建設

 その後、検査範囲をタブレット画面上で指定すると画像処理により自動で計測された鉄筋径、間隔、本数が画面上に表示される仕組み。計測結果はデータとして記録されるという。


自動計測結果のタブレット画面(クリックで拡大) 出典:鹿島建設
検査対象範囲は点線で表示される

 コンクリート構造物の配筋検査は施工上で重要な業務であるものの、鉄筋径を区別するマーキングや鉄筋間隔を示すスケールスタッフ設置などといった事前準備から、検査後の報告書作成まで多くの時間と手間を要していた。

 標準的な鉄道高架橋工事を想定した場合、従来では90分を要していた準備・計測・検査工程を本システムでは30分で完了と、時間にして3分の1に短縮が可能となった。また、計測結果を電子データとして残すことで検査書類にも転用が可能となり、ヒューマンエラーを排除した確実な配筋検査を行うことができるという。


本システムと従来の配筋システムとの比較(クリックで拡大) 出典:鹿島建設

 今後、本システムを土木現場における自主検査に適用し実績を蓄積するとともに、AI活用による画像処理の高度化や検査報告書の自動作成など、システムのブラッシュアップを継続するという。また、発注者による立会検査への活用や、発注者・施工者双方が検査結果画像を遠隔共有するといった、さらなる省力化も視野に入れ開発を行うとした。

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