0.1ミリのひびを捉えるインフラ点検ロボット、大和ハウスが販売開始:情報化施工
大和ハウス工業はインフラ点検に活用できる狭小空間点検ロボットを開発。0.1mmまでのクラック(ひび割れ)を確認できる遠隔操作型のロボットで、点検業務の効率化に生かせるという。
大和ハウス工業はインフラ点検に活用できる狭小空間点検ロボット「moogle evo(モーグル エヴォ)」を開発し、2018年3月6日から販売を開始した。0.1mmまでのクラック(ひび割れ)を確認できる遠隔操作型のロボットで、販売価格は税別260万円から。
同社は2012年10月に戸建住宅の床下空間や溝などの点検向けとして、狭小空間点検ロボット「moogle」を販売。住宅メーカー、工務店、リフォーム会社などに累計約300台を供給してきた実績がある。
今回開発したmoogle evoはさらにカメラの解像度などを高めるなど、インフラ点検にも対応できるよう改良を加えたモデルだ。外形寸法は250×495×280mm、重量は12kgで、最大15cmまでの段差を乗り越えられる。
距離センサー、LED照明、点検用カメラなどを搭載しており、無線中継器を利用することで最大200m離れた場所からでも操作が行える。連続駆動時間は最大で2.8時間だ。
点検用カメラでは最大0.1mmまでのクラックを判別でき、クラック幅に応じて自動で色分け表示する機能も搭載した。水漏れ確認を促せるよう、点検箇所の温度・湿度センサーも備える。この他、有線LANによる操作や、LAN接続可能な機器を搭載することで機能の拡張も可能という。
販売価格は260万円(1年保証、買い取り)からで、リースの場合の参考価格は月額4.8〜5万円前後としている。販売地域は全国で、大和ハウス工業ではゼネコン、インフラ点検事業者、住宅メーカー、リフォーム業者、不動産会社などに向け、年間100台の販売を目指す方針としている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 人とロボットの協業を実現、清水建設が工事を70%省人化へ
清水建設は、複数の自律型ロボットと人が協調しながら建設工事を進めるシステム「シミズ スマート サイト」を構築し、2018年早々に関西での高層ビル案件に適用する。ロボットを適用する工種において70%以上の省人化を目指すという。 - 半自律で施工可能に、大成建設の床仕上げロボットが進化
大成建設は、2016年に同社が開発したコンクリート床仕上げロボット「T-iROBO Slab Finisher」の機能を拡張し、半自律制御操作を可能とするシステムを開発したと発表した。ロボットの常時操作が不要になり、オペレーター(土間工)の作業負荷を低減できるという。 - 人型ロボットが操縦席に、無改造で建機を遠隔操作
建設機械レンタルのカナモトなど4社は、建設機械を遠隔操作で操縦できる人型ロボットを開発した。建機に改造を加えること無く利用できるのが特徴。二次災害が予想される危険地帯での活用ニーズを見込む。