2D図面からBIMモデルを自動生成、建設ベンチャーがゼネコンと実証:BIM/CAD
2D図面を読み取り、属性情報を付加した3Dモデルを自動生成ーー。ベンチャー企業のCONCORE'Sは自社開発した図面分析システムのβテストを開始した。ゼネコンをはじめ、パートナー企業として複数の建設関連企業が参加するという。
建設業界で活用が広がり始めたBIM/CIMは、3次元(3D)のモデルデータに、さまざまな属性情報を付加している点がポイントだ。しかし、2Dの図面しか残っていない、既存の建築物にBIMなどを適用する場合、2D図面の情報を抽出し、3Dモデルに属性情報として付加する手間が大きな課題となる。
こうした2D図面からの情報抽出を、自動化する取り組みがスタートした。建設系ベンチャー企業のCONCORE'S(東京都渋谷区)はこのほど、独自開発の図面分析クラウド型AIエンジン「aoz cloud (以下、アオズクラウド)」のβテストを開始。テストにはゼネコンをはじめ、パートナー企業として複数の建設関連企業が参加するという。
アオズクラウドは、アオズクラウドは設計および施工時に使用されている2次元図面を画像データとして扱い、記載されている情報を読み取り、解析が行える分析エンジン。独自の深層学習モデルやアルゴリズムを適用しており、図面からオブジェクトと高さ情報を検出し、情報付き3Dモデルの自動的に生成や、面積や体積などを自動算出、帳票類の自動作成など、幅広い建設業務の自動化に活用できるとしている。
CONCORE'Sではオアズクラウドをβテストに参加するパートナー企業へ技術提供を通して改良を重ね、2018年内に実用化し、同社が提供する建設業界向けのクラウドサービス「Photoruction(フォトラクション)」を通じて提供していく方針。βテストに参加するパートナー企業の募集も引き続き行う。
なお、オアズクラウドの研究開発は一般財団法人日本建設情報総合センターの研究助成に採択されている。研究メンバーとして芝浦工業大学の志手一哉教授、工学院大学の石田航星助教授が参画している。
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