貸し会議室も無人管理、スマートロックで空室の収益化を提案:FM
ライナフは、「住宅・都市イノベーション総合展2017」で、スマートロックシステム「NinjaLock」と、「スマート会議室」などの不動産テックソリューションを紹介した。
他社との差別化は「モノ売りではなくコト売り」
ライナフは、「住宅・都市イノベーション総合展2017」(2017年12月13日〜15日、東京ビッグサイト)で、スマートロックシステム「NinjaLock」と、スマートロックを活用した不動産テックソリューション「スマート会議室」などを紹介した。
ライナフは、2014年設立の不動産管理向けシステムやハードウェアを開発するベンチャー企業。主に既設の不動産を対象としたサービス提供を行っており、大手不動産会社との業務連携を進めるなど、国内不動産テック系企業の1社として注目を集めている。
今回、同社が展示を行った「NinjaLock」は、既設ドアに設置するタイプのスマートロックシステム。玄関ドアなどのサムターンに設置されたNinjaLockは、Bluetoothによってスマートフォンと接続し、専用アプリによる操作でドアの解錠と施錠が可能。また、スマホによる鍵のシェアや、有効期限付き鍵の発行、サムターン手動操作も含めた開閉履歴確認など、充実した鍵管理とセキュリティ機能により、民泊やレンタルオフィス、貸し会議室など、B2B活用に最適なスマートロックシステムだという。
このNinjaLockを活用した、スペース予約・決済システムが「スマート会議室」だ。このシステムは、貸し会議室などレンタルスペースの運営に必要な機能がワンパッケージにまとめられており、予約や顧客管理、入退室管理、決済を含めた売上管理を提供している。同社担当者は、「他社でもそれぞれの機能で似たようなサービスを提供していると認識しているが、これら機能を一括して提供しているのはスマート会議室だけだろう」と胸を張る。
このスマート会議室によって、運営面では無人環境でレンタルスペースが営業できるため、従来より運営していたレンタルスペースでは効率化や収益性の向上が期待できるという。また、本システムによって空室のテナントを期間限定でレンタルスペース化しやすくなるなど、柔軟な不動産の運用管理に貢献できるとする。
ライナフの担当者は、同社ビジネスの方向性について「スマートロックシステム単体を提供するモノ売りを目指しているわけではない」として、「スマートロックなど、新しい技術を活用したコト売りのビジネスモデルで、不動産業界にイノベーションを起こしたい」(同担当者)と抱負を語った。
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