ドローン測量の画像処理を1つで担う、テラドローンが低価格ソフトウェア:情報化施工
テラドローンは、新開発となるドローン専用画像処理ソフトウェアの販売を開始した。自動運航や画像処理、3次元画像解析など、従来は複数のソフトウェアで処理していた作業をまとめて行えるのが特徴だ。
テラドローンは新開発のドローン専用の画像処理ソフトウェア「Terra Mapper」の販売を開始した。ドローンの自動航行に加え、画像処理、3次元画像解析にまで対応できるのが特徴で、建設分野などで導入が広がりつつあるドローンによる測量作業の効率化に貢献する。
一般にドローンを利用した測量では、2次元の空撮写真の3次元化や、データ解析にそれぞれ専門のソフトウェアを用意する必要があった。この場合、ソフトウェア間でのデータ連携に手間が掛かる他、一定の投資も必要になる。
Terra Mapperはこうしたドローン測量に必要な画像処理のプロセスを、1つで全て完結できるという。対空標識の自動認識、点群処理機能の他、土量計算・比較や断面線計算、等高線作成などの機能を備える。
提供方法はクラウド版とデスクトップ版の2種類を用意する。クラウド版では、データ処理やデータ管理を全てWebアプリ上で行う仕組みだ。インターネット環境さえあれば、PC、スマートフォン、タブレットなど、さまざまなデバイスからデータにアクセスすることができる。複数人でのデータ共有も可能だ。
例えばクラウド版の場合、土地造成時の日々の土量変化量を把握する施工管理用ツールとしても利用できる。解析データを簡単に入手できるため、現場での会議用資料として活用しやすく、ヒトやモノの配置状況、現場の進捗(ちょく)状況も簡単に確認できるとしている。
デスクトップ版は、ノートPCでドローンの飛行管理から、データ処理と解析、アウトプットと共有までを一貫して処理できる。クラウド版よりも高い負荷がかかる解析機能に向く。なお、デスクトップ版のTerra Mapperの場合、他社製品と比較してソフトウェアの導入に掛かる費用を5分の1程度に抑えられるとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 測量作業で活用が進むドローン、その今を見てきた
日本UAS産業振興協議会(JUIDA)が主催した「Japan Drone 2017」(2017年3月23〜25日/東京ビッグサイト)では、無人航空機(ドローン)を活用した測量技術、サービスが展示された。 - ドローン測量の課題をクリア、座標を自動取得する対空標識
建設現場でドローンを使った3D測量が広がっている。効率よく測量が行えるメリットがあるが、現場の課題となっているのが対空標識の設置と測量に手間と時間がかかる点だ。テラドローンはこうした課題を解決するGPS内蔵の対空標識の販売を開始した。自動で位置情報を取得でき、置くだけでTS測量を省くことができる。価格も数万円と安価に設定した。 - ドローンでレーザー測量、鹿島建設が実戦投入
さまざまな測量シーンでの活用が進み始めているドローン。鹿島建設は大分県のダム建設現場でドローンを用いたレーザー測量を実施し、良好な測量結果を得たと発表した。これまでの写真測量より高精度なデータを得られたとしており、より高度な使用方法も探っていく。