建設×IoTを実現するプラットフォームを提供、コマツなど新会社:情報化施工(2/2 ページ)
コマツ、NTTドコモ、SAPジャパン、オプティムの4社は、建設分野でのIoT活用を支えるシステム基盤「LANDLOG(ランドログ)」を共同で企画・運用すると発表した。ランドログを提供する新会社を10月に設立し、設事業者向けに提供を開始する。
データやアプリをさまざまな企業に提供
今後、コムコネクトの情報の収集・蓄積・解析の機能については、ランドログにより、施工会社などの要望に応じてさまざまなアプリケーションプロバイダーにデータを提供していく。また、従来のコムコネクトは建設機械による施工プロセスを中心に構築されたプラットフォームであるのに対し、ランドログは建設生産プロセス全体を包含する新プラットフォームであり、今後、コマツはコムコネクトの一部の機能を発展的にランドログに委譲し、ソリューションやアプリケーションを提供するプロバイダーの1社として、建設現場の課題解決に集中して取り組む予定だ。
また、新プラットフォームに蓄積されたさまざまなデータを用いてアプリケーションを開発し、施工会社をはじめとするユーザーに提供するとともに、より多くの新規プロバイダーの参入を働きかけていく。提供先は国内だけでなくグローバルでの展開も視野に入れる。
なお、2017年7月19日に開いたランドログの発表会では、パートナー各社の代表者が登壇した。NTTドコモの吉澤和弘社長は「LTE・LPWA・5Gなど無線通信に関するノウハウ・サービス、およびIoTなどのソリューション構築とデータ収集・可視化・分析に関するノウハウの提供などの役割を果たして、安全で生産性が高い、スマートな未来の建設現場の実現に寄与していきたい」とコメントした。
SAPジャパン内田士郎会長は「デザインシンキングの手法を使って今回のプラットフォームのビジネスモデルを創出し、SAP Leonardoにより同ビジネスを下支えするシステムの構築に取り組む」。オプティム菅谷俊二社長は「AI・IoTおよびCloud IoT OS活用などに関するノウハウを提供する」と述べている。
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