BIMデータで建築確認申請を実現、誰でも使えるテンプレート公開:BIM/CAD
住宅性能評価センター、オートデスク、フリーダムアーキテクツデザイン、大塚商会は、建築確認申請書類をオートデスクのBIMソフト「Revit」から作成するためのテンプレートを開発し、一般公開公開する。BIMデータを利用し、Web上から建築確認申請を行うことが可能になるという。
住宅性能評価センター、オートデスク、フリーダムアーキテクツデザイン、大塚商会は、建築確認申請書類をオートデスクのBIMソフト「Revit」から作成するためのテンプレートを開発し、5月31日から公開すると発表した。
4社は2016年4月からBIMを利用した建築確認申請の実現に向けて協業を推進。その後、BIMデータを使用した建築確認申請で、住宅性能評価センターから4号建築物の確認済証交付を国内で初め取得している。今回開発したテンプレートはこうしたこれまでの取り組みの成果を活用したもので、「Autodesk App Store」から無料で一般公開する。同時に住宅性能評価センターは事前相談として申請受付を開始する。
一般に建築確認申請は、平面図や配置図など複数の2次元図面を確認して審査されている。しかし、申請における確認作業の負担などが課題となっていた。また、BIMで設計された建築物については、BIMデータとは別に、建築確認申請用の2次元図面を作成しなければならず、不要な手間が発生していた。
今回4社が開発したBIMデータによる建築確認申請では、住宅性能評価センターの申請システム「F-2Web」にBIMデータをアップロードするだけで申請が行える。書類を印刷する必要はない。また、テンプレートはBIMデータを使用しない場合でも、PDFや紙で行う申請のテンプレートとして利用できる。
なお、フリーダムアーキテクツデザインとオートデスクは、住宅建築プロジェクトでBIMの活用と普及に向けて、業務提携を行うことも発表している。BIMデータを使用した4号建築確認申請のワークフローの普及や、住宅分野のプロジェクトで実践できるBIMワークフローの構築などに取り組む方針だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- BIMとVRは住宅設計にこそ大きなメリットがある
建築業界で徐々に活用が進みつつあるBIM。大規模建築での利用が目立つBIMだが、これを住宅設計に積極的に活用すべく、組織改革を進めているのが住宅設計・デザインを手掛けるフリーダムアーキテクツデザインだ。BIM導入の延長として2017年からVRサービスの展開も計画する同社に、BIMを導入した背景や、社内に浸透させるための苦労や取り組みについて聞いた。 - BIMによる建築確認申請、国内初の確認済証が交付
BIMデータを使用した建築確認申請において、ついにlコック内で初めて確認済み証の交付が行われた。BIMの普及および、BIMデータ活用領域の拡大に向けて期待が高まっている。 - IFCデータの入出力を可能に、BIM対応を強化した建設設備CAD
富士通システムズ・ウエストと四電工は、建築設備CAD「CADEWA」シリーズの新バージョンを発売する。IFCデータの入出力や3D関連の機能など、BIMに対応するための機能を強化した。