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太陽光で建物のエネルギー収支がプラスに、竹中のZEB化改修で成果省エネビル(1/2 ページ)

竹中工務店は千葉市にあるZEB改修を行った自社のオフィスビルの運用成果を報告した。さまざまな省エネ設備・技術の導入により一次エネルギー消費量を約70%削減。さらに1年間にわたって運用を行った結果、太陽光発電による創エネ量が消費量を上回り、年間のエネルギー収支でプラスを達成することができたという。

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 2030年までに温室効果ガスを2013年度比で26%削減するという目標の達成に向けて、政府は建築物の省エネを促すための施策を強化している。2016年4月からは「省エネ性能表示制度」がスタートした他、年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロになる「ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)」の普及を促す方針だ。

 特に課題となるのがオフィスビルの9割以上を占めるといわれている、既存建物の省エネだ。新築とは違い実際の利用者がいる状況の中、どのように改修を加えて省エネ性能を高めていくかがポイントになる。オーナーにとっては改修に伴うコストとその回収年数など、費用対効果も気になる点だろう。

 竹中工務店はこうした既設建物の省エネおよびZEB化に関するノウハウの蓄積を目的に、自社のオフィスビルをZEB化改修した。実際に社員が執務を続ける中で改修を行ったのが特徴の1つで、性能面でも成果が得られた。改修後約1年にわたって運用を行ったところ、太陽光発電による創エネ量が消費量を上回り、年間のエネルギー収支でプラスを達成することができたという。


ZEB化改修を行った千葉市中央区の「竹中工務店 東関東支店」 出典:竹中工務店

 ZEB化改修を行ったのは、千葉県中央区にある「竹中工務店 東関東支店」のオフィスビル。地上2階建てのRC/S造で、敷地面積は1432m2、延床面積は1318m2だ。改修期間は2015年10月〜2016年3月の6カ月間。改修計画から施行にわたってBIMやVRなどの技術し、工期を3回に分けて、従業員が執務継続しながら改修を進めた。

 ZEB化改修においては「快適性の考え方を変える」「スーパー省エネビルを作る」「スマートな働き方を考える」「災害にも強くなる」という4つのコンセプトを掲げた。超高性能断熱、ダブルスキン、ブラインドおよび自然通風の自動制御、調光LED、デシカント空調などを採用した他、地中熱利用システム、放射空調、太陽光発電および太陽熱利用システムなどを導入している。

 さらにウェアラブル端末の「Apple Watch」を利用して計測した従業員の活動量や、体感申告による情報を利用し、個人の好みを学習して最適な温度や気流を提供できるシステムなども導入した。省エネだけでなく、従業員の知的生産性を高めることも目指したという。なお、改修に掛かったコストは非公開としている。


改修および導入した設備の概要(クリックで拡大)出典:竹中工務店

ZEB化改修後のオフィス内部の様子 出典:竹中工務店

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